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コンパクトSUVや背が低めのクロスオーバーSUVの存在が目立った2018年前半の自動車シーン。 今後もSUV優勢の状況は続くと見られているが、2018-2019年に注目すべき新型車は果たしてどんなモデルなのか? ピュアEVからスーパースポーツまで、クルマ好きゴルファーが押さえておくべき新型車を一挙紹介。
Paragraph01 SUV優勢は続く
「コンパクトSUVがひと通り出揃い活況を呈した2018年が終わろうとしている今、気になるのは2018-2019年にデビューすることになる新型車の動向である。
進境著しいピュアEVや自動運転といったトピックにも注意を払うことが必要だが、とりあえずこの先1年以内に実際にステアリングを握ることができるモデルという点では、やはりSUVの勢いが強い。サイズ的にはコンパクトからフルサイズまで様々なモデルが市場を賑わすことになる。
新型SUV投入でひときわ目立っているのはアウディで、フルモデルチェンジされるQ3に加え、フラッグシップSUVであるQ8も登場する。
特にQ8はアウディ自身がSUVクーペを標榜する力作であり、フルサイズSUVの新たな世界観を垣間見せてくれる。
フルサイズSUVという点で気になるのはBMWのX7で、もちろんX5やX6を越えたBMWのSUVモデルの旗艦となる。傘下のロールス・ロイスが初のSUVであるカリナンをデビューさせたばかりなので、X7も相応のプレミアム感を備えているはずだ。
また、クーペスタイルのクロスオーバーSUVであるX4もフルモデルチェンジを果たしデリバリーがはじまっておりこちらも注目の1台といえる。
一方ポルシェは2002年に初登場し、スポーツカーブランド発のSUVの世界を切り開いたカイエンの3代目のデリバリーが開始されたばかり。ポルシェ特有の高い質感に加え、ハイブリッドモデルの性能にも磨きが掛かっており、鉄板の選択肢となるに違いない。
フォルクスワーゲンもトゥアレグのフルモデルチェンジをはじめ、スモールSUVであるTクロスの登場など話題に事欠かない。
Paragraph02 ドイツ系EVはSUVから
近年のSUVはオフローダー的というより、あくまで背の高い使い勝手の良いシティコミューターというポジショニングを確立しつつある。厚みのあるボディによって床下に大型バッテリー搭載するスペースが生まれるためEVと相性が良い点も特筆すべきだろう。このためドイツブランドが相次いでリリースするピュアEVも、ファーストモデルはSUVスタイルとなっている。
すでにBMW iを立ち上げていたBMWを追うようにメルセデスベンツとアウディが、ついにピュアEVの市販モデルをリリースする。メルセデスベンツEQの第一弾はEQCと呼ばれるSUVモデルで、CというネーミングからもプレミアムDセグメントに属するモデルと思われる。2019年春から製造が開始されることが発表されたメルセデス初のピュアEVは、車体の前後に1個ずつモーターを搭載するAWDモデルで、バッテリーは床下に搭載される。
アウディe-tronはやはり前後にモーターを搭載するAWD(電動クワトロ)モデルで、ボディサイズはQ6相当。クロスオーバーSUVのスタイリングも含めてメルセデスEQCと真っ向勝負するかたちになるはず。どちらも航続距離は300kmを越えてきそうなので、途中充電なしで郊外のカントリークラブ往復をこなせそうだ。
Paragraph03 最注目のピュアEVはタイカン
SUVモデルではないが、ピュアEVの中で最も注目すべき1台はポルシェのミッションEあらためタイカン(Taycan)である。ポルシェのクオリティ、システム総計600psとも言われるパワーももちろんだが、15分ほどの充電でバッテリーの80%を満たせると言われるバッテリーシステムに注目が集まっている。
少し車高を上げたミッションEクロスツーリズモの存在もうわさされており、ポルシェがクロスオーバーSUVにも食指を伸ばそうとしていることは確実である。
スポーツカーブランドによるEVでは、英国のアストンマーティンが完成を急ぐラピードEも注目の1台。ポルシェ タイカンと同じく5ドアセダンのボディ形式は、現行ガソリンモデルのラピードSに近いと予想されている。
同じく英国のジャガーもiペイスの我が国における受注を開始しており、もうすぐ実車が我が国の路上をはしりはじめるはずである。ジャガーらしいスタイリッシュなクロスオーバーSUVは、ドイツ車とは違う個性が期待できる。
またEVメーカーのテスラも、5名乗車のミドルサイズセダンであるモデル3を2019年後半に日本市場に導入する。EVブランドの先駆けであり、すでに実績を積んでいるテスラとEVメーカーとしては新興のヨーロッパ勢による対決も興味深い。
Paragraph04 ハイブリッドな2台持ちがこれからの旬
SUVやそのEVモデルは大きなラゲッジスペースを必要とするゴルファーにとって現実的なモデルと言えるが、ニューモデル全般にアンテナを張り巡らすBRUDER読者ならば、スポーツカーやセダンでも抑えておきたいモデルがある。
その筆頭はメルセデスAMGで、定評のあるAMG GTの4ドアクーペモデルで、最強モデルのAMG GT 63S 4MATIC+は、つい先頃4ドアセダンのニュルブルクリンク最速タイムをマークしている。本国デビューが2019年春なので、来年中には日本上陸を果たすかもしれない。
AMGではAクラスをベースとした末っ子であるA35にも注目が集まっているし、BMWでは3シリーズのフルモデルチェンジ、トヨタ スープラと共通のプラットフォームを採用する新型Z4デビューに加え、ラグジュアリーの極みである8シリーズ クーペの登場にも着目したい。
スーパースポーツの世界も矢継ぎ早にニューモデルが発表されているが、近年は台数限定、億超えのモデルが話題を集めている。中でもマクラーレン スピードテイルは、センターコクピットの3人乗りとなっており、尾を引く流星のようなスタイリングも他に似ない個性を放つ。
流行に敏感なBRUDER読者の2019年は、最新のSUVでカントリークラブまでの手堅いアシを確保しつつ、2シーターのスポーツカーと2台持ちが理想的だろう。
SUVスタイルの最新ピュアEVと空冷時代のポルシェ911、そんなガソリンと電気、新旧という時空を越えたハイブリッドなペアをガレージに収めることができたら、数年は優越感に浸れるはずだ。
- Text : Takuo Yoshida