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試乗レポート

ポルシェ マカン ターボ パフォーマンス、精度を極める

かつては2ドアのスポーツカー専業のイメージで通っていたポルシェだが、現代では総合的な自動車メーカーとしての色を帯びてきている。とはいえブランドの根本にあるのはスポーツカーの精神であり、そのラインナップは精度の高いモデルで統一されている。クロスオーバーSUVに分類されるマカンだが、その実像もまたポルシェの精神に忠実といえる。

「忖度」という言葉が、相手のことを考える、もしくは配慮するといった意味を持っていることはご承知の通り。このような言葉が流行する背景には、現代人に「そういった配慮」が足りていないという実情があるのだろう。

ことほど左様にオトコは精度の高い物をこよなく愛する傾向が強い。スイス製の精密な機械式時計やライカのカメラ、そしてもちろんゴルフのクラブ選びに関しても精度が高いことが大前提となる。

オトコが何かにつけて高い精度を求める裏にはつまり、我々が極めていい加減な生き物であるという暗示が込められているのかもしれない。

伝統の911カレラを彷彿させる走り

自動車の世界においてオトコが憧れる精度の高さを、最も端的に表現しているメイクスに議論の余地はない。言わずもがなポルシェである。

精度の高い機械はその筐体がコンパクトであるほど魅力を増す。スポーツカーならば伝統の911カレラ、クロスオーバーSUVでは新進気鋭のマカンを突出した1台と捉えることができるのである。

ポルシェ マカンは一見するとひと回り小さくなったカイエンのようであり、近頃全盛のクロスオーバーSUVを、ポルシェ風にアレンジしただけのクルマに思える。

ロードクリアランスがしっかり確保された5ドアハッチのスタイリングと4輪駆動のドライブトレインという構成もよくあるクロスオーバーSUVのそれである。

だが'60年代に登場し、今なおその名が継承され続けているポルシェ911がスポーツカーとスーパースポーツの中間に新たなカテゴリーを創出したように、2014年に登場したマカンもまたクロスオーバーSUVを超越した孤高のポジショニングを得ているのである。

ポルシェ マカンの現行ラインナップは、ベーシックなマカンにはじまり、SやGTS、そしてターボといったポルシェおなじみのグレード名が勢揃いしている。

今回試乗するマカン ターボ パフォーマンスはマカン ターボのさらに上位に追加されたシリーズのトップモデルとなる。

3.6リッターのV6エンジンはツインターボで過給することで440psというスーパースポーツ並みの最高出力を発生し、トランスミッションはオートマティックとマニュアルモードで瞬間的な変速を楽しめる7速PDKが組み合わせられている。

圧倒的なパワーはアクティブ制御の4輪駆動システムであるPTM(ポルシェ・トラクション・マネージメント)によって効率よく4輪に配分されることになる。

先に「コンパクト」と記したが、それは兄貴分のカイエンと比べた場合であって、4699mmの全長と1923mmの全幅を持つマカンのボディは堂々としたものだ。

一方、ポルシェらしい質感の高い室内の眺めはマカンのチャームに違いない。 直線的なダッシュパネルやスイッチ類がずらりと並ぶセンターコンソールのデザインはフラッグシップである911カレラを彷彿とさせるスポーティなものだし、革巻きのステアリングやその奥に配されたメーター類の意匠もポルシェ以外の何物でもない。

黒革とバックスキン調のアルカンターラが組み合わされているシートの形状も、後席中央を覗いた4座がスポーティなバケットタイプになっている。

黒系のカラーリングで統一されたコクピットに乗り込んでみると、マカン ターボ パフォーマンスの印象はクロスオーバーSUVから、よりスポーツカー寄りに変化する。

普通のSUVはステーションワゴン的な室内を、上下方向にさらに拡大したようなルーミーな空間を特徴としている。だがマカンのインテリアは少しも窮屈な感じこそないのだが、それでも低められたルーフと相まってSUVらしからぬタイトさで纏められている。

キャディバッグは、トノーカバーを外せば3本積むことも可能

リアのシートスペースは、左右のシートを分断するセンターコンソールがない分だけ開放感があり、足元スペースも充分に確保されている。

だがウインドーの面積がそれほど大きくないこともあって、明るくて広いSUVというより微かな暗さが高級感を演出するセダン的な空間に映る。

一方ゴルファーにとって重要なリアのラゲッジスペースに関してはクロスオーバーSUVらしい、広いスペースが確保されている。キャディバッグは斜め方向にクロスさせる形で2本入り、トノーカバーを外せば3本積むことも可能となる。

リアのシートバックは3分割の可倒式なので、縦方向にキャディバッグ3本とその他のラゲッジ類を満載して、3名乗車でカントリークラブ往復というシチュエーションにも十分応えてくれるはずである。

マカンのトップグレードであるマカン ターボ パフォーマンスの真骨頂は、前述の通り精度の高さにある。911カレラと同等のクオリティで仕上げられたボディのみならず、室内の操作系からもポルシェ特有の精度の高さはひしひしと伝わってくる。

このためひと度走りはじめれば、例えクルマにあまり関心がない人でさえ、ガッチリと堅牢に仕立てられたボディと、入念にセッティングされたパワートレーンが生み出す精度の高い走りが他のあらゆるクルマと決定的に異なることに気づき、心奪われるはずである。

精度の高いクラブが精度の高いショットを実現するように、マカン ターボ パフォーマンスの精度の高さも、運転のリニアリティに直結している。

高速道路に合流する際には瞬時に加速して狙った車線にスムーズに合流できるし、カントリークラブに通じる曲がりくねった山道でも、思い通りの走行ラインをセンチのレベルでストレスなく狙うことができる。

センターコンソールのスイッチでドライビングモードをスポーツやスポーツ+に切り替えれば、エンジンやトランスミッションがよりリニアに反応し、勇ましい排気音を放つようになる。

同時にエアサスが組み合わされたPASM(ポルシェ・アクティブサスペンション・マネージメントシステム)もより引き締まったサスペンションセッティングを作り出し、いよいよマカンは完璧なハンドリングマシーンへと昇華する。

極めて精度の高いスポーツカーそのもの

連続するコーナーでステアリングを切り返すようなシチュエーションでも背の高いクルマのように上屋がフラ付くことは一切ないし、弾けるようなターボキックを受けてもなお、4輪駆動システムは安定した挙動のまま、車体を前へ前へと押し出していく。

もちろんポルシェ車の特徴でもある容量の大きなブレーキシステムの存在も、卓越したスピードコントロールと安心感につながっている。

ボディ形式によってクロスオーバーSUVにカテゴライズされるマカンだが、その実像はスピードに拘るポルシェが作り出した極めて精度の高いスポーツカーそのものなのである。

精度の高さを追求し続けることがオトコの人生をより豊かなものにする。であるならば、ゴルフクラブと同じく愛車選びにも妥協は禁物だ。

洗練されたスタイルや必要にして充分な実用性、すこぶるスポーティなドライビングフィール。そのどれもが欠かせないのであれば、ベストの1台はマカン ターボ パフォーマンスであると断言できる。

PORSCHE MACAN TURBO PERFORMANCE
メーカー希望小売価格:11,940,000~(税込)

  • ※写真はオプション装着車。
  • ※表示価格にはオプションは含まれておりません。
  • ボディサイズ | 全長4,699 × 全幅1,923 × 全高1,609 mm
  • ホイールベース | 2,807 mm
  • エンジン |V型6気筒DOHCツインターボ
  • 排気量|3,604 cc
  • 最高出力 |440ps (324kW) / 6,000 rpm
  • 最大トルク | 600N/m /1500~4500 rpm
  • Text : Takuo Yoshida
  • Photographer : Koichi Shinohara

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かつてバンタイプの乗用車や、いかついクロカン4駆は商用車として括られたり、局地的に重宝されるニッチな存在だった。だがファッションと同じくらい、クルマ世界のトレンドも変化する。昨今話題となる新型車の多くが背の高いクロスオーバーSUVであり、ハイブリッド化や電動化との相性も良いことから、その勢いは今後も止まりそうにない。

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取材協力:カメリアヒルズカントリークラブ

国内女子トーナメント「アース・モンダミンカップ」開催コース。安田幸吉氏の設計によるコースはフラットで広いフェアウェイと巧みに配されたハザードにより、すべてのプレイヤーが楽しめる正統派の美しいコースに仕上がっている。また、クラブハウス内はヨーロピアンエレガンスに統一し、心安らぐ空間で贅を尽くした施設ときめ細かな温かいサービスをご提供している。

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問い合わせ先

ポルシェ・ジャパン フリーダイヤル : 0120-846-911https://www.porsche.com/japan/jp/models/macan/

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