旅する写心

旅する写心 〜「コース巡礼」18.リビエラCC16番ホール

ホールを囲むプラタナス。新緑の頃も綺麗だが、枯葉が舞い降り白い木肌が目立つ冬のこの時期が大好きだ。 季節の変化を感じにくいLAでも微妙に四季を主張するものがある。このプラタナスも夏だと存在感が薄くつい通り過ぎてしまいがちだが、冬は足を止めて思…

旅する写心 〜Golf Diplomacy

1921年、日英同盟存続か否かの重要な転機を迎えた頃、当時、駒沢にあった東京ゴルフ倶楽部で昭和天皇と英国皇太子がゴルフをした。 のちに全く別々の人生を歩みはじめる若き二人だが、世界の将来について大いに語り合ったのだろう。やがて戦争が始まり、昭和…

旅する写心 〜The Time Changes

昨年、畑岡奈紗はロープの外でTOTOジャパンクラシックを観戦していた。しかし今年は堂々と主役の一人として大会に臨む。 この写真を撮ったときはまさか藍ちゃんが引退するとは考えてもいなかった。時代は変わる。 畑岡は今年USLPGAを戦った。シード獲得には…

旅する写心 〜National Open

Pebble Beachで開催されるNational Openのスケジュールが新たにUSGAから発表された。2023年に全米女子オープン、2027年には全米オープンの舞台となる。 太平洋を望むPebble Beachペブルビーチでの開催はすでに、2018年の全米アマ、開場100周年を迎える2019年…

旅する写心 〜Win or Lose

プロ池田勇太とアマチュア金谷拓実の一騎打ちとなった日本オープン最終日。前半のうちに金谷が1打差まで迫りバックナインの争いは熾烈を極めた。 攻める池田に対し、徹底的に刻む金谷。15番ホールパー5、その時点で3打リードの池田は第一打を大きく右に曲げ…

旅する写心 〜Age Shooting

ジャンボさんが自身2度目のエージシュートを達成した。70歳で「70」。レギュラーツアーでの達成は世界に誇れる記録である。 シニアには出場しない自分の美学を頑なに追求してきた。そしてこの記録。ジャンボさんのゴルフ道にしびれる瞬間だ。 「10アンダー…

旅する写心 〜Witness History

きのう畑岡奈紗はとんでもないことをやり遂げた。 40年間、連覇のなかった日本女子オープン。毎年変わるコース、難セッティング幾多のプレーヤーによる挑戦記に新たな章を開いた。 それも昨年はアマチュアで今年はプロとして、、、 何十年かのち、この日が語…

旅する写心 〜Final Day

プレーオフ最終戦は26位タイ。米PGAツアーを舞台とする松山英樹の2016-17年シーズンが終わった。 メジャー制覇にこそ届かなかったが、1シーズンで3勝。そのうち2つは世界選手権で勝った。少なくとも日本のファンにとっては最高の一年だったと言えるだろう。 …

旅する写心 〜getting better

先週、エースドライバーが金属疲労で寿命を迎えた。今週から使い始めた全く同じ仕様のモデル。 初日はFWキープが3ホールだったが2日目は8ホールとGetting Better!!ティーショットがFWをとらえ始めるとアイアンのキレが戻ってきた。 さあ、あと2日でどこまで…

旅する写心 〜Lovely Angel

天使は突然やって来た。2003年に高校3年生でツアー優勝。その瞬間からゴルフ界は大きく動き始めた。 翌年開幕戦に地元沖縄でプロ初優勝。その後も、軽やかに、時に劇的に、踏むべきステップを駆け上がり世界の舞台へと羽ばたいていった。 スターの誕生は私の…

旅する写心 〜「コース巡礼」17.ニドムクラシック・ニスパコース13番ホール

夏のゴルフといえば北海道を思い浮かべる。その昔二ドムクラシックができたときやっと日本にも長期滞在型のリゾートゴルフ場ができたと喜んだ。 本場フィンランドから木を集めて作った重厚なコテージ、樽前山の裾野に広がり、そこから出た湧き水がコース内を…

旅する写心 〜「コース巡礼」16.ベルエア CC 18番ホール

ロサンゼルスには「3B」と呼ばれる高級住宅街ビバリーヒルズ、ブレントウッド、ベルエアがある。その3カ所にゴルフ場を設計したのがジョージ・トーマス。 アメリカ東部フィラデルフィアで生まれ、趣味のバラの生育に最適な場所を求めて1921年に家族でLAに移…

旅する写心 〜Ready to Go !!

ブリヂストン招待で優勝し万全の態勢で全米プロを迎える松山英樹。今年最後のメジャー出場に、期待は増すばかりだ。 マスターズ、全米オープン、全英オープンと今一歩のところで優勝には届かなかった。何かが足りない、、、、フロリダの自宅に戻り自問自答を…

旅する写心 〜「全英オープンの記憶」2008年 グレッグ・ノーマン

これまでノーマンのメジャー優勝を逃したシーンをどれだけ見てきただろうか。 前回のロイヤルバークデール2008年全英オープンの最終日をノーマンは2打差のトップで迎えた。最年長優勝がかかった53歳は朝からイライラした雰囲気だった。元女子プロテニスプレ…

旅する写心 〜「全米オープンの記憶」2006年 ミケルソンの悲願

今もっとも全米オープンを勝ちたいオトコはフィル・ミケルソンに違いない。しかし今年は奇跡が起こらないと出場できない。 フィルにとって全米オープンは過去に6度の準優勝がありながらもう一歩タイトルには届かず、キャリアグランドスラムを未完のものとし…

旅する写心 〜「全米オープンの記憶」1999年 ペイン・スチュアートの悲劇

ニッカポッカを履いた伊達男ペイン・スチュアートは1989年全米プロ、91年全米オープン優勝と順調にキャリアを積んでいった。 しかしその後、低迷の時期が続いた。98年、オリンピッククラブで行われた全米オープンで久しぶりの優勝争いをしたが最後はリー・ジ…

旅する写心 〜「全米オープンの記憶」1990年 アーウィン最年長優勝

全米オープンの厳しさそれを思い知らされたのが1990年のメダイナだった。最終日を首位と4打差の20位から出たヘイル・アーウィンが最終ホールで14mのバーディパットをねじ込みマイク・ドナルドとの翌日18ホールのプレーオフに持ち込んだ。 当時はフィルムカメ…

旅する写心 〜「全米オープンの記憶」1989年 ストレンジの連覇

戦後の全米オープンで連覇を果たしたのは2人だけ。ベン・ホーガンともう一人はカーティス・ストレンジだ。私の「全米」撮影は1988年から。ストレンジの連覇目撃から始まった。 当時珍しいメタルドライバーを使用、記憶では最初のメジャー優勝者だ。どこまで…

旅する写心 〜ありがとう、藍ちゃん

藍ちゃんが今季限りで現役を引退すると発表した。いつかこういう時が来るとは思っていたが、、、 2005年のことだ。彼女はアメリカツアーで戦っていく上で一度は訪れたいとニューヨークの9.11跡地に向かった。まだまだ生々しい現場ではあったが思うことがたく…

旅する写心 〜「コース巡礼」15.サニングデールGC Old Course 17番ホール

ゴルフのルーツを探っていくと色々と面白いことに出会う。日本のコース設計の父チャールズ・ヒュー・アリソンもとても興味深い。 日本にも本格的なコースが欲しいという声が次第に高まり、その当時の第一人者ハリー・コルトに設計を依頼したのは1929年のこと…

旅する写心 〜Partnership

他のスポーツにはない存在としてゴルフトーナメントにはキャディがいる。選手が唯一、自分の味方にできて、なおかつ相談し合える存在だ。 選手によってはずっと同じキャディを使う選手もいれば毎年のように変える選手もいる。日本でも最近では帯同キャディが…

旅する写心 〜「コース巡礼」14.鳴尾GC 4番ホール

桜咲くゴルフ場。東の我孫子ゴルフ倶楽部に対して西は鳴尾ゴルフ倶楽部。刹那の輝き、、、 マスターズを毎年取材していると桜の開花を逃してしまうことが多い。開花が近づくと普段は地球温暖化に不満をこぼしているのだがこの時ばかりはマスターズ前に咲いて…

旅する写心 〜「My Sweet Masters」21.Again

セベに憧れてゴルフを始めたセルヒオ・ガルシア。いつかは自分もマスターズで勝ちたい、と思ってプロになった。 2017年マスターズの最終日は、郷土スペインの英雄が生きていれば60回目にあたる誕生日だった。ガルシアの思いは痛いほどファインダー越しに伝わ…

旅する写心 〜「My Sweet Masters」20.Soul Brothers

. オーガスタの街はマスターズの1週間を除くといつもと変わらない深南部の穏やかな佇まいだ。 1986年に渋谷公会堂で行われたジェームス・ブラウンのコンサートの撮影を担当した。人生初めての入院でのたうち回っていたが、JBの撮影は簡単に断れる話ではなか…

旅する写心 〜「コース巡礼」13.カウリ・クリフ 8番ホール

中原中也の詩の一節に「思えば遠くに来たもんだ」というのがある。ゴルフ場を巡る旅をしていると本当にそう思う時がある。 今回訪れたカウリ・クリフもそんなところだった。ニュージーランド・オークランドから北西に4時間は車を走らせただろうか。1枚のゴ…

旅する写心 〜「コース巡礼」12.ミルブルック コロネット6番ホール

ニュージーランドのゴルフコースに注目が集まっているのはご存知だろうか。大自然とゴルフコースのマッチングはほかの国にはない魅力だ。 先日行われたNZ Open開催コースのミルブルックもその一つだ。初めて訪れた時の感動は今も忘れられない。数々の地を訪…

旅する写心 〜Wine&Golf

読売巨人軍で活躍した桑田真澄さんは大のゴルフ好きであり、またワイン通としても知られている。 フランス、ナパに次いで今ニュージーランドのワインが注目を浴びているが、桑田さんは幻のワインと言われた「プロヴィダンス」に魅せられ、自身も栽培・収穫に…

旅する写心 〜New No.1

ダスティンがGenesis Openで優勝しジェイソン・デイを抜いてワールドランキングトップに躍り出た。 リビエラCCの18番を埋め尽くす観客から「No.1,No.1」のコールを受けながら少しはにかんだ感じで歩いてきた。大会はサスペンデッド続きで日曜日も36ホールの…

旅する写心 〜Top of the World

フェニックスオープンで4勝目をあげた松山。今週のジェネシスオープンで優勝しジェイソン・デイの結果次第で世界ランキングトップの可能性が出てきた。 これはすごいことだ。記者会見でアメリカ人記者からの質問に本人も承知していた。ついに頂上が見えた。…

旅する写心 〜「コース巡礼」11.ナネアGC 9番ホール

弱冠27歳のデイビッド・マクレイ・キッドが、オレゴンにバンドン・デューンズを作ったのが1999年だった。バンドンの評判は瞬く間にゴルフ関係者に広まった。アメリカ西海岸に本格的なスコットランド・スタイルのリンクスコースができた。 彼にセント・アンド…

旅する写心 〜Friendship

ジャスティン・トーマスとジョーダン・スピースは学生時代からの大親友だ。 学生時代はトーマスが頭角を現した。しかし大学を中退しプロ転向したスピースにトーマスは自身のキャディを勧めた。そしてメジャー優勝。友達の幸せを手放しで喜べる関係。それが本…

旅する写心 〜Yesterday Once More

PGAツアーに憧れ、何のあてもなく出かけた。そしていろいろな選手と出逢った。30年が過ぎ一区切りをつけようと思ったときにとんでもない選手が現れた。 不思議なものだ。なぜこのタイミングに、、、松山という選手は何をしようというのだ。いても立ってもい…

旅する写心 〜世界で一番しあわせなプレスルーム

PGAツアーはアメリカ全土からメキシコさらにはアジアへと旅しながら続いていく。その中で誰もが一番と認めるのがこのソニーオープンinハワイのプレスルームだ。 ここのプレスルームはクラブハウスの中にあるのだが、窓のすぐ外はビーチなのだ。それもダイア…

旅する写心 〜グッド・ルーザー

2017年初戦となるSBSトーナメントofチャンピオンズで松山は優勝を逃した。しかしただの敗者ではない。勝者に十分な怖さを与えた。松山はただ者ではないと。。。 前半ジャスティン・トーマスは絶好調で5打差をつけてターンした。しかし松山は諦めない。…

旅する写心 〜Are You Ready

昨年の好調をそのままにまたまた松山は2017年の開幕戦を最終日最終組で迎える。 当たり前に思ってしまうこの光景は決して当たり前ではない。優勝、2位、優勝、優勝、優勝、そして、、、夢を見ているのだろうか。もし初夢が最高の形で終われたら。さあ、…

旅する写心 〜Art of Golf

スポーツの写真を撮っていると、惚れ惚れとするようなシーンに出逢うときがある ゴルフコースは自然の借景を上手く利用し設計されているのだが、、、 そんな素晴らしいコースでプレーするトップゴルファーは、一瞬アートのような情景を醸し出す。今の松山の…

旅する写心 〜Happy New Year !!

2017年の戦いが始まった。マネーランキングとフェデックス・ポイント両方をトップで迎えた松山英樹。 一年のスタートは緊張するものなのだろうか。安全運転ながらもノーボギー・4アンダーで初日を終えた。余裕の出だしである。今週もなんだか面白い戦いにな…

旅する写心 〜ブルーハワイ

GDOニュースでの初仕事。やっぱりハワイはいいな。松山英樹は開幕前日、ブルーのウェアで調整した。 ショットは安定している。表情も良かった。芝目の強いカパルアのグリーンでパッティングがカギになるだろう。 関連リンク フォトギャラリー(撮影・宮本卓…

旅する写心 〜冬のリビエラ

2017年1月1日、誰もいないリビエラのコースにカメラを1台持ち佇んだ。普段でも静かなコースが、この日もプレーヤーもメンテナンスも誰もいない。 冬枯れのプラタナスの中、ゆっくりと歩いた。年が変わる。振り返るのではなく、前を向いて一歩一歩進も…

旅する写心 〜Holiday Season

アメリカはサンクスギビング・デイが終わると一気にクリスマスムードだ。ペブルビーチもイルミネーションに飾られたロッジがゲストを迎えてくれる。 ペブルビーチに到着する前はいつも気分が高揚しているが、この時期はテンションがMAXまで上がる。部屋に案…

旅する写心 〜2002年ワールドカップ

今週いよいよワールドカップがオーストラリアで始まる。日本は松山&石川の最強コンビ。2002年伊澤&丸山で優勝して以来の期待がかかる。 当時はデジタルカメラが出始めた頃で、いつ乗り換えるかがカメラマンの間では大きな問題だった。僕は習うより慣れろ派…

旅する写心 〜凱旋帰国

この流れはなんなのか。日本オープンでは記録的なギャラリーを集め、見事優勝。そしてPGAツアーに戻り、マレーシア2位のあと、WGC HSBCチャンピオンズで優勝。 まさしく凱旋帰国。松山が御殿場に恐ろしく格好よく帰ってきた。なにか大きく感じてしまう。背…

旅する写心 〜Great Champion【2016日本オープン】

帰国出場で注目を集め、連日大行列を作ったファンに日が暮れるまでサインをし、期待通り「日本オープン」の初タイトルをつかんだ。 4年前に「日本学生」で勝ったコース今回はセッティングも大幅に難しくなったが、成長を見せるには格好の舞台となった。 日…

旅する写心 〜燃え尽き症候群からの復活【2016日本オープン】

晋呉が密かに燃えている。永久シードを獲得した後、どこか目標を失っていた。自分を燃やす物はなにか―。 自分なりにいろいろな目標を立て、今年はオリンピックにも出場した。しかし、不完全燃焼だった。 日本オープンを2勝した選手は多くいるが3勝以上とな…

旅する写心 〜帰国参戦の理由(わけ)【2016日本オープン】

アダムはパットの不調で予選ラウンドで姿を消したが、夢の組み合わせは、大勢のギャラリーをうならせた。 トップレベルのプロとは、、、初日のラウンド後、陽の沈みかけたコースで松山は居残っていたファンに一人ひとりサインをしていた。 その列の長さは優…

旅する写心 〜最多ギャラリー数【2016日本オープン】

今日はこの3人を一目見ようと、10,838人のギャラリーが集まった。これはデータが残る1991年以降、大会最多の初日観客数だった。 それぞれの実績と魅力が多くのゴルフファンを動かした。まだまだ日本にはゴルフを面白いと思うファンが沢山いることが証明され…

旅する写心 〜奇跡の組み合わせ【2016日本オープン】

日本のゴルフのため日本のジュニアのためにアダムが呼びかけたことがそもそものきっかけだった。英樹、遼との3人の予選同組はある意味で奇跡的だと思う。 いま世界のトップレベルはどういうゴルフをするのか、、、間近でショットを観て、インパクトの音を聴…

旅する写心 〜狭山ゴルフ・クラブ【2016日本オープン】

2016年日本オープン狭山ゴルフ・クラブはあす13日の開幕を前に舞台が整った。 ここ数年日本オープンのためにコースの改造をおこなってきた。セッティングの妙がトーナメントを左右する。 アダム、松山、石川も参戦。本気の戦いをこの舞台でどう演じるか、愉…

旅する写心 〜ありがとう、アーニー。

アーノルド・パーマー逝く。1987年、初めて行ったマスターズでパーマーの写真を撮った。 毎ホール毎ホール、パトロンたちは立ち上がり、拍手で迎える。パーマーは手を振り、お得意のサムアップで応えていた。 いつからかパーマーに向けられる拍手は音が違う…

旅する写心 〜「貌(FACE)―アダム・スコット」

2年前からアダム・スコットは日本オープンに出場し日本のファンを愉しませている。今年も早々と出場を表明していた。 昨年の記者会見ではナショナル・オープンの意義を語り、PGAツアーに戻ったら、松山選手や石川選手にも声をかけると約束していた。そして…

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