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旅する写心 〜「全米オープンの記憶」2006年 ミケルソンの悲願

今もっとも全米オープンを
勝ちたいオトコは
フィル・ミケルソンに違いない。
しかし今年は
奇跡が起こらないと出場できない。

フィルにとって全米オープンは
過去に6度の準優勝がありながら
もう一歩タイトルには届かず、
キャリアグランドスラムを
未完のものとしている大会だ。

最も印象に残っているのが
2006年ウィングドフット。
ジェフ・オギルビーが通算5オーバーで
先にホールアウトし、
フィルは18番パーで優勝という
ビッグチャンスを迎えた。

左ドッグレッグの最終ホール
ティショットを大きく左に曲げ、
次の一打に注目が集まった。
ボギーでもプレーオフの状況で、
果敢にも前進を狙ったショットは、
前方の木に当たって叩き落とされ、
まさかのダブルボギーで
勝負がついた。

勝者オギルビーの傍らで
呆然とするフィルの明暗、、、
一瞬、魔が差したのか。
全米制覇を達成する日までは
悔やまれる一打にちがいない。

宮本 卓Taku Miyamoto

1957年、和歌山県生まれ。神奈川大学を経てアサヒゴルフ写真部入社。84年に独立し、フリーのゴルフカメラマンになる。87年より海外に活動の拠点を移し、メジャー大会取材だけでも100試合を数える。世界のゴルフ場の撮影にも力を入れており、2002年からPebble Beach Golf Links、2010年よりRiviera Country Club、2013年より我孫子ゴルフ倶楽部でそれぞれライセンス・フォトグラファーを務める。また、写真集に「美しきゴルフコースへの旅」「Dream of Riviera」、作家・伊集院静氏との共著で「夢のゴルフコースへ」シリーズ(小学館文庫)などがある。全米ゴルフ記者協会会員、世界ゴルフ殿堂選考委員。

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