メルセデス・ベンツ Sクラス、孤高のSクラス、さらなる高みへ

4月に開催された上海モーターショー2017において、メルセデス・ベンツSクラスのフェイスリフト版がワールドプレミアされた。今回の改変では内外装のアップデートはもちろんだが、世界中の自動車メーカーが注目している先端技術も数多く含まれており、さらに新型パワーユニットも投入されるなど話題に事欠かない。SUV全盛の昨今だが、自動車トレンドの最先端は今なおSクラスが創造しているのである。

モデルライフの中頃にフェイスリフトが行われることは自動車世界の通例だが、しかしそれがメルセデス・ベンツのSクラスとなれば少し意味合いが異なってくる。それはメルセデス・ベンツのフラッグシップ・サルーンであるだけでなく、自動車の最新テクノロジーのトレンドを指し示す存在でもあるからだ。特にメルセデスは2013年にリリースした現行のSクラスにおいて、自動追尾クルーズコントロール機能の精度を高めることで限りなく自動運転に近い技術も確立したことで注目を集めている。今回も、LEDが3本のストライプを形成する印象的なヘッドランプや新たな意匠のグリル、新型バンパーといった洗練されたマスクの内側に数々の新機能が隠されている。

今回のマイナーチェンジの内容は、外観のお化粧直しやドライバーアシスト技術のみならず、新開発のパワーユニットまで多岐にわたっている。メルセデスが「インテリジェントドライブ」と呼ぶ自動運転の分野では、ステアリングアシストの範囲が拡大され、レーンキーピングや「アクティブ・レーンチェンジ・アシスト」による車線の変更といった機能がより高い精度で実現できるようになっている。また高速道路のゲートや様々な曲率のカーブといった道路状況に合わせて、ステアリングアシストとともに加減速も自動的に行うなど、より完全な自動運転の状態に近づいているのである。また、室内ではシートのマッサージやエアコン、アンビエントライト、そして専用の芳香剤を統合制御するエナジャイジング・コンフォート・コントロールを装備し近未来的で快適な室内空間を演出している。

新開発のパワーユニットは、メルセデスの伝統復活というべきストレート6エンジンで、ガソリンとディーゼルの両方が用意される。この新型エンジンとギアボックスの間に48Vバッテリーとインテグレーテッド・スターター・オルターネーターを組み合わせたハイブリッドシステムが配置され、V8エンジン並みの動力性能と優れた省燃費を実現している。パワーユニットは、ストレート6に加え、上級グレードにはV8ツインターボも搭載され、フラッグシップに相応しいパフォーマンスも実現している。ホイールベースは当然のようにロングホイールベース版も用意され、最上級のマイバッハ・モデルも追ってデビューするという。また、V8エンジン搭載モデルに懐かしい「560」のモデル名が復活するという情報もある。さらなる高みを目指すフェイスリフト版Sクラスの本邦デビューは間近に迫っている。

Mercedes-Benz S Class
車両価格:未定

  • 画像提供:Daimler AG

bruder.golfdigest.co.jp

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