MITとランボルギーニが共同研究 電動スーパースポーツコンセプトが登場

アウトモビリ・ランボルギーニが、最新の電動スーパースポーツコンセプト「テルツォ・ミッレニオ」を発表した。テルツォ・ミッレニオが意味するのは、「第三の千年紀」。電気自動車でありながら、ランボルギーニならではの流麗なビジュアル、圧倒的なパフォーマンスの実現を目指している。このスタディモデルはアメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)の2つの研究所との協力により誕生しており、アンベールも同大学のキャンパス内で行われた。

テルツォ・ミッレニオは「蓄電システム」や「革新素材」などの技術的側面から、未来のスーパースポーツカーは「こうあるべき」というテーマに取り込んだ。そして、蓄電と素材面での技術的なブレークスルーを実現すべく、MITの化学科のミルセア・ディンカ教授率いるディンカ研究所、機械工学科のアナスタシオス・ジョン・ハート教授率いるメカノ合成グループとの提携を行った。

今回提案された蓄電システムは、従来のバッテリーではなくスーパーキャパシタの採用を検討。これは、アヴェンタドールへの低電圧スーパーキャパシタ搭載の流れに沿ったもの。次に目指すべきテクノロジーとして、ランボルギーニは高出力とエネルギー回生を実現しながら劣化を最小限に抑え、電力の放出と回収を行える蓄電システムの開発を掲げている。

さらに、ジョン・ハート教授との共同研究では、ボディシェルを構成するカーボンファイバー自体を蓄電可能な素材にしようとしている。つまり、ボディにも電力を貯めることが可能になるのだ。また、カーボンファイバーの構造全体を監視するテクノロジーと「自己修復」コンセプトを組み合わせることで、事故などによりカーボンに亀裂が生じても、自動的にダメージを検知し、損傷を自動修復できるようになることも目指している。

駆動方式はホイール内にモーターを組み込んだ、インホイール方式を採用。4輪それぞれにモーターを搭載することで、車両デザインやエアロダイナミクスにも、これまでにない自由度が生まれる。実際、テルツォ・ミッレニオはランボルギーニとしての“アイコン”をキープしながらも、未来を明確に予感させる大胆なデザインを纏って登場した。

ランボルギーニのステファノ・ドメニカリCEOは、テルツォ・ミッレニオについて以下のようにコメントした。「ちょうど1年前、マサチューセッツ工科大学と共同研究の契約を結び、スーパースポーツの未来を実現するプロジェクトを立ち上げるため、共同開発をスタートさせた。我々の開発部門にとって、MITとのコラボレーションはスーパースポーツの世界に革命を起こす意味で、これ以上ないチャンスになるだろう。将来を見据え、現在は不可能とされていることを可能とすることに、我々はやりがいを感じている。ランボルギーニはいつだって、次世代の夢を創造していかなくてはならない」

テルツォ・ミッレニオが、このままの形で市販化されることは考えにくい。しかし、ランボルギーニが環境への対応を考えつつ、同時にエキサイティングなスーパースポーツを諦めていないことは、嬉しいニュースと言えそうだ。余談だが、インホイールモーターによりデザインに自由度が与えられると、エンジン搭載スペースに人数分のゴルフバッグを悠々と飲み込んでしまう、ゴルファーにとって夢のようなスーパースポーツの誕生だって、あり得ない話ではないかもしれない。

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