“本格”と“品格”が共存する唯一無二のダイバーズブランパン「フィフティファゾムスオートマティック」

夏、日常的に着ける時計に高い防水性を求める人は少なくないだろう。真っ先に候補に挙がるのはダイバーズウォッチだが、大きくて厚みがあり、存在感が強すぎる“いかにも”なモデルは少々敬遠したい。そんな大人にこそ勧めたいのが、1735年創業の現存する世界最古の時計ブランド、ブランパンの本格ダイバーズ「フィフティファゾムスオートマティック」だ。

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逆回転防止ベゼルなど、本格ダイバーズに必要な機能を備えながらも、ケースは薄く、たたずまいは驚くほどエレガント。ディテールの完成度も申し分ない。

モデル名の「フィフティファゾムス（Fifty Fathoms）」は、水深の単位に由来する。1ファゾム＝約1.8メートル。つまりフィフティファゾムスは約91メートルを意味する。かつて水深の測定に使われていたこの単位が、そのままモデル名として冠されているのも歴史の深さを感じさせる。

高く評価されたのは軍隊からだけではない。スキューバダイビングが先進的なレジャーとして注目され始めていた当時、レジャーダイバーにも評判が一気に広まり、瞬く間に“ダイバーズの原点”として確固たる地位を築いた。以降、多くのブランドがこの分野に参入するきっかけとなったことは言うまでもない。

今回紹介するのは、最もベーシックなSSケースモデル。ケース径は38.2mm、厚さは12mmと薄型で、腕元での収まりも良い。サンバースト仕上げの文字盤と、サファイアクリスタルで覆われた逆回転防止ベゼルが美しく調和し、落ち着きと上品さを兼ね備えている。

なぜここまでエレガントに仕上がっているのか。その理由は、ブランパンが複雑機構まで自社一貫で製造する“真のマニュファクチュール”だからだ。搭載されている自社製ムーブメント「Cal.1150」は、約100時間という驚異的なパワーリザーブを誇る。一般的なスタンダードウォッチの70時間を大きく上回るスペックだ。1980年代に「機械式時計しか作らない」と宣言し、複雑時計の分野でも圧倒的な存在感を放ってきたブランパンの技術力が存分に注がれている。

しかも、繊細な仕上げが施されたムーブメントは、シースルーバックからその姿をいつでも眺めることができる。ダイバーズとしての本格と、日常使いに求める美意識。その両方を、高次元で満たしてくれるタイムピースである。ダイバーズの武骨さを求めるのではなく、本質を静かに、そして優雅に味わいたい人にこそふさわしい一本だ。