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ランボルギーニのBEVコンセプトモデル「ランザドール」登場

イタリアのランボルギーニは8月、カリフォルニアで開催された「ザ・クエイル モータースポーツ・ギャザリング」で、自社にとって初のBEV(電気自動車)モデルの生産を2028年に開始すると宣言し、そこに向けた100%電動のクロスオーバーコンセプトモデル「ランザドール」を発表した。

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ランボルギーニは言わずと知れたスーパーカーメーカーだが、アウディの傘下でもある彼らは親会社と同じように「脱炭素化」を標榜し、そこに向けた様々なサステナブルプランを遂行している。

V12エンジンの燃費を改善することは難しいとされる一方で、牛糞堆肥から発生する熱を工場の暖房として生かしたり、ドイツで製造されるSUVモデル「ウルス」のイタリアへの輸送を列車に切り替えたり、塗装排水処理の循環システムを最新のものに変えるなど、環境面におけるサステナブルを会社全体で追求しつつ、BEVの生産について検討を重ねてきたのである。

今回お披露目されたランザドールは、同社の電動化プランの具体的な始まりを宣言する狼煙(のろし)のようなものといえるだろう。スタイリングはウルスの2ドアクーペ版のようで、サイドシルエットは「カウンタックLP1800-4」など、2シータースーパースポーツからのインスピレーションも多く見られる。またアクティブエアロダイナミクスが装備されており、走行モードによって空力を最適化することができるという。

全高はウルスよりもやや低く、床下にはバッテリーが敷き詰められている。また、AWDシステムを構成するモーターを前後に配置し、総出力は実に1360ps(1メガワット)に達するとアナウンスされている。

室内は2+2シーターのレイアウトになっており、その見た目は未来の戦闘機のようなとがったデザインになっている。興味深いのは内装に用いられている素材で、リサイクルプラスティックやメリノウール、なめし工程で水を汚さないサステナブルレザーを使用することで、環境に配慮した未来のスーパーカー像が表現されている。

繰り返しになるが、ランザドールは現段階ではコンセプトモデルに過ぎず、彼らが実際に手掛けるBEVのプロダクションモデルは2028年にデビューすることが宣言されている。今から5年後ともなれば、スタイリングはもちろん、パフォーマンスに関してもより進化したものになるのは当然だろう。

これまでのような刺激的な音がなかったとしても、彼らが送り出す作品が平凡であるはずがない。少し先の話にはなるが、全く新しいスーパーBEV誕生の瞬間が今から待ち遠しい。

Text : Takuo Yoshida

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