BRUDER

メニュー 検索する
閉じる

航空機と腕時計好きなら絶対に見逃せない ブレゲ「タイプ20 2057」

航空機と腕時計は、どちらも20世紀を象徴する画期的な機械だ。そしてこのふたつは“切っても切れない関係”にある。なぜならパイロットにとって、「経過時間の計測」は安全な飛行のために不可欠な要素。時刻を表示する機能に加え、計測が独立して行えるのがクロノグラフの魅力だ。

<関連記事>新世代スポーツラグジュアリーウォッチの本命

この記事をお読みのあなたは、おそらく時計好きの方だろう。では航空機(飛行機)は? もしどちらもお好きなら、ぜひオススメしたいクロノグラフがある。それが今回紹介するブレゲ「タイプ20 2057 ミリタリーバージョン」だ。

ブレゲは400年に及ぶ時計の歴史の中で、“最高の天才時計師”と讃えられるアブラアン・ルイ・ブレゲ(1747〜1823)が創設した。パイロット用クロノグラフの分野で、1950年代に“伝説的な傑作”を世に送り出したことでも知られる。2023年6月、その伝説を受け継ぐ新しい機械式クロノグラフが誕生した。

クロノグラフの中でも、特別な機能として知られるのが「フライバック機能」だ。一般的なクロノグラフは、計測中に別の計測を開始するにはストップ→リセット→再スタートボタンを押すという3つの手順を踏まなければならないが、フライバック機能付きなら、計測中でもリセットボタンを押すだけで新しい計測を即座に開始できる。

写真は初代「タイプ20」のプロトタイプが開発されたのと同じ1952年にダッソー社が開発し翌年からフランス空軍に納入された戦闘爆撃機「ダッソー ミステールⅣ」

フライバック機能自体は航空黎明期の1920〜30年代に、空軍のパイロットのために開発されたものだが、最初期のパイロットウォッチにはクロノグラフ機能はついていなかった。1950年に入り、航空機の高速化に伴い、ヨーロッパ各国の空軍は秒単位での計測が作戦の確実な遂行に欠かせないものと考えるようになった。そこで、操縦席に組み込まれたコックピットクロックのバックアップ用としてフライバッククロノグラフが開発された。

フランス空軍が求めるクロノグラフウォッチを大量発注するため作成された仕様書が「タイプXX(20)」と名付けられて開発されたのがはじまりで、1952年に1100本を受注。1955年~59年にかけて納入されたのが「タイプ20」だった。また同じ頃、民間用のモデルも作られ、クロノグラフ愛好家の間で伝説的な存在となったのだ。その後もブレゲはこの歴史を受け継ぐフライバッククロノグラフを世に送り出し、クロノグラフ好きの時計ファンから熱烈に支持されてきた。

左が1955年からフランス空軍に納入された初代「タイプ20」。そして右が初代のデザインを継承して誕生した最新モデル「タイプ20 ミリタリーバージョン」。初代のクロノグラフは手巻きで、最新モデルは自動巻きへと変更された

最新モデルは、“時計の心臓”であるクロノグラフムーブメントをゼロから再設計し、コラムホイール式、垂直クラッチ、ひげゼンマイ、ガンギ車、アンクル部のホーンに最新のシリコン素材を採用した。さらにクロノグラフのゼロリセット機構をはじめ、特許申請中のまったく新しいメカニズムが搭載されている。

ケース裏からは新開発のフライバック機能付きの自動巻きクロノグラフムーブメント「キャリバー7281」の動きが楽しめる

また30分積算計のみを搭載するミリタリーバージョンのほか、15分積算計、12時間積算計を備えた、かつての民間用モデルに当たる「タイプ XX 2027 民間バージョン」も登場した。どちらを選んでも、時計愛好家から一目置かれることは間違いない。自分の手で付け替えできるカーフストラップとナイロン製のNATOストラップが付属し、シーンに合わせて使い分けできるのもうれしい。

BREGET / ブレゲ
タイプ20 2057 ミリタリーバージョン 258万5000円(税込)

SPEC
  • ケース径:42 ㎜
  • SSケース、カーフストラップ&NATOストラップ、10気圧防水

お問い合わせ先

  • 03-6254-7211

Text : Yasuhito Shibuya

閉じる