新連載『BRUDER×EV』では、フルEVを毎回決まったコースで試乗し、バッテリー残量やルート上にある充電スポットにおける30分(1回)あたりの充電量などデータを収集。日常の走行シーンを想定してレポートする。今回紹介するのは、ポルシェが誇るフルEVモデル「タイカンターボS」。ラインアップの中でも、0-100km加速でわずか2.8秒という驚愕のポテンシャルを秘めたフラッグシップモデルだ。
「タイカン」シリーズは、4ドア・セダンの「タイカン」とシューティングブレーク風のテール形状が特徴的な「タイカンクロスツーリスモ」という2グレードが用意されている。いずれもホイールベース内の床下にバッテリーを搭載し、モーターを前後に1つずつ備えたAWDモデルと、リアに1つ備えた RWDモデルがある。
今回テストしたタイカンターボSはセダン、駆動はAWDで、モーターの最高出力は761ps(ローンチコントロール時のオーバーブースト)という高出力を誇る。サスペンションは3チャンバーのエアサス、後輪操舵システムを装備するなど、ポルシェEVのトップモデルらしく最新技術がフル装備されている。
ドライブフィールは、モーターによるパワーと電子制御のエアサス、そしてシャシーの連携がしっかりと煮詰められており、非常に完成度が高かった。そして何より、フルEVでありながら、これまで慣れ親しんできたポルシェらしさもちゃんと感じられる点がすばらしい。またコクピットからの視界の良さ、フロントガラス越しに見る滑らかに盛り上がったフロントフェンダーも、スポーツカーを運転している気分を盛り上げてくれる。
前回同様、試乗コースは都内をスタートし茨城県鉾田市にある「ザ・ロイヤルゴルフクラブ」を往復する256km。タイカンターボSのリチウムイオンバッテリー容量は93.4.KWh。カタログ記載のWLTCモードによる走行距離は400kmだが、走行前にバッテリーの充電状態を100%にしてみると、モニターに表示された走行可能距離は398km(※直近の走行パターンも含めた演算の可能性もあるので、参考データとしてお考え下さい)だった。
標準的な走行ペースで走り切った際のバッテリー消費量は56%で、バッテリー1%あたり4.57kmを消費した計算になる。ちなみに往路は26%(4.92km/%)、復路は30%(4.26km/%)だった。航続可能距離を考えれば、試乗ルート上における追加充電は必要ない。
別の機会で30分×2度、サービスエリアにおける充電を行った。1度目は東関東自動車道の幕張PAの下り線にある「eMOBILITY POWER」で26%(走行距離約118.8km)、2度目は東関東自動車道の酒々井SA上り線にある「EV QUICK CHARGE」(こちらは少し型が古め)で21%(96.0km)充電することができた。
車両の充電ポートは左右のフロントフェンダーに装備されている。右側が普通充電(AC200V)、左側がDCの急速充電(CHAdeMO)である。0-100%までの充電時間は3kWの充電器で約32時間、6kWでは約16時間という結果が出ている。
ポルシェジャパンは、株式会社太平洋クラブが運営する全18コースにそれぞれ2基ずつ「ポルシェデスティネーションチャージングステーション」を開設している。8kWの充電が可能で、ポルシェであれば無償で使用することができる。
- ポルシェ タイカンターボS 車両本体価格: 2507万円(税込)
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- バッテリー容量 | 93.4 kwh
- 一充電最大走行可能距離 | 400 km(WLTCモード)
- バッテリー100 % 時表示距離 | 398 km ※2
- 256 Km 走行時の電力消費量 | 56 %
- 今回のテストでの電力消費量 | 4.57 km / % 4.89 km / kW ※1
- eMOBILITY POWER(30分) | 22 %(走行距離:118.8 km 分)※2
- EV QUICK CHARG(30分) | 17 %(走行距離:96.0 km 分)※2
- 0-100% 充電時間(6 kw / h) | 約16時間
- 0-100% 充電時間(3 kw / h) | 約32時間
- ※1: km/%はタイカンターボSのバッテリー容量1%当たりの走行距離。Km/kWは電力1kWあたりの走行距離で、こちらの数値によって他車との比較が可能になります
- ※2:直近の走行パターンも含めた演算になります。参考データとしてお考え下さい
お問い合わせ先
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ポルシェ・ジャパン
www.porsche.com
Text : Takuo Yoshida