電気自動車、いったいどれだけ走る? メルセデス・ベンツ「EQS」を調べてみた

新連載『BRUDER×EV』では、フルEVを毎回決まったコースで試乗し、バッテリー残量やルート上にある充電スポットにおける30分(1回)あたりの充電量などデータを収集。日常の走行シーンを想定してレポートする。今回紹介するのは、メルセデス・ベンツ「EQS450+」。堂々とした体格のセダン、SクラスのフルEV版とも言うべき一台が、2022年9月末、日本上陸を果たした。

EQSシリーズには、最高出力333ps、リヤにモーターを搭載した「EQS450+」と、658psを誇るAWDの「AMG EQS53 4MATIC+」の2グレードが用意されている。

試乗コースは都内から茨城県鉾田市にある「ザ・ロイヤルゴルフクラブ」を往復する256km。EQS450+の床下に敷き詰められたリチウムイオンバッテリーの容量は107.8KWh。カタログに記載されているWLTCモードによる走行距離は700kmだが、実際バッテリーの充電状態が100%の時に表示されていた走行可能距離は715kmだった。(※直近の走行パターンも含めた演算の可能性もあるので、参考データとしてお考え下さい)

標準的な走行ペースで256㎞を走り終えた時のバッテリー消費量は39%で、バッテリー1%の消費で6.56kmを走行した計算になる。ちなみに往路は19%(6.8km/%)、復路は20%(6.56km/%)の消費だった。走行可能距離を考えれば、今回のルート上での追加充電は必要ない。バッテリーの減り具合も安定していた。

別の機会で、サービスエリアにおいて30分×2度の充電を行った。1度目は東関東自動車道・幕張SA下り線の「eMOBILITY POWER」で、22%(走行距離約144.3km分)を充電した。2度目は東関東自動車道・酒々井SA上り線の「EV QUICK CHARGE」(こちらは少し型が古め)で、17%(111.5km分)を充電することができた。EQSの充電器は普通充電(AC200V)と急速充電 DC (CHAdeMO)に対応している。

近年、EV用の充電設備を設置しているゴルフ場も増え、プレーしている時間(約7時間)に充電を行うことができる。直前の走行データににもよるが、3kWhの充電器で21kWh(約126km)、6kWhでは42kWh(約256km)の充電が可能だ。ゴルフ場到着時にバッテリー残量が少なくても、帰りの心配をする必要はなさそうだ。

メルセデス・ベンツEQS 450+   車両本体価格: 1563万円~(税込)
  • バッテリー容量 | 107.8 kwh
  • 一充電最大走行可能距離 | 700 km(WLTCモード)
  • バッテリー100 % 時表示距離 | 715 km ※2
  • 256 Km 走行時の電力消費量 | 39 %
  • 今回のテストでの電力消費量 | 6.56 km / %  6.0 km / kW ※1
  • eMOBILITY POWER(30分) | 22 %(走行距離:144.3 km 分)※2
  • EV QUICK CHARG(30分) | 17 %(走行距離:111.5 km 分)※2
  • 0-100% 充電時間(6 kw / h) | 約18時間
  • 0-100% 充電時間(3 kw / h) | 約36時間
  • ※1: km/%はEQSのバッテリー容量1%当たりの走行距離。Km/kWは電力1kWあたりの走行距離で、こちらの数値によって他車との比較が可能になります
  • ※2:直近の走行パターンも含めた演算になります。参考データとしてお考え下さい

お問い合わせ先

Text : Takuo Yoshida

閉じる