蘇る伝説、新型アルピーヌ「A110」

一度途絶えてしまったスポーツカーの血統が復活することなど、滅多にあるものではない。だが、22年という空白の時間を経て、今年フランスの名門スポーツカー・ブランドが蘇る。2シーター、ミッドシップレイアウトの新型アルピーヌは、由緒正しく、純粋なスポーツカーを求めるエンスージアストたちに最高の興奮をもたらすに違いない。

アルピーヌと聞いてすぐに青くて小さなスポーツカーを思い浮かべるあなたは相当なクルマ好きに違いない。1955年に創業し1973年にルノーの傘下となったフランスを代表するスポーツカー・ブランド、レーシングコンストラクターであるアルピーヌは、ル・マン24時間レースやモンテカルロラリーで活躍したヒストリーを持っている。1995年にA610の生産を終え休眠状態に入ったアルピーヌには再起の噂が絶えなかったが、今年ついに復活のアナウンスが発せられた。新型アルピーヌは’60年代の銘車、アルピーヌA110の現代版ともいえるモデルであり、その名も同じくA110を名乗るという。

新型アルピーヌ誕生は今年3月のジュネーブ自動車ショーで正式にアナウンスされている。初代アルピーヌA110は鋼管溶接のフレームと強化プラスティック製のボディを与えられ、エンジンはポルシェ911やVWビートルと同じようにリアエンドに配置されていた。新型A110はスタイリングこそ初代に倣っているが、中身は最新の技術が詰め込まれている。車体はボディを含めてアルミニウム材を接着して構成し、エンジンは日産‐ルノー製の1.8リッター4気筒ターボエンジンがミッドシップ・マウント。ギアボックスは7段デュアルクラッチが搭載されるという。車重は1トン少々というから、ライトウェイト・スポーツカーとしては一線級のポテンシャルが与えられることになる。

新型アルピーヌA110は、初代A110を生産していたことでも知られるフランス西部の港町、ディエップの工場で生産される。1号車は今年中にラインオフされる予定になっており、1955台の「A110プレミアエディション」はすでに予約注文で埋まっているという。我が国における輸入販売はルノー・ジャポンが手掛けることが決定しているが、発売時期やディーラーの体制等は発表待ちの段階である。右ハンドルのモデルも2018年中には生産が開始される予定。価格に関してはフランス本国において700万円ほどというから、ポルシェ・ケイマンやロータス・エリーゼといったライバルたちと比べても充分な競争力があるはず。スポーツカー・ファンならずとも、期待せずにはいられない1台だ。

Alpine A110
車両本体価格:未定
日本発売時期:未定

bruder.golfdigest.co.jp

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