機械式時計をアートとして楽しむ メイド・イン・ジャパンのスケルトンウォッチ

オリエントは国内よりも世界で高い評価を受けている日本の時計ブランドだ。そのフラッグシップコレクション「オリエントスター」から、歴史に新たな1ページを拓くモダンな「オリエントスター スケルトン」が登場した。

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デザインスケッチも、ムーブメントの裏側の仕上げも価格を超えた美しさがある

機械式時計は、400年もの間に有名無名の「天才」たちの手で完成に至った精密機械。そしてスケルトンウォッチは、歯車など部品が取り付けられたムーブメントの地板を切り抜き、文字盤を透明にすることで、「機械の小宇宙」ともいわれる美しい構造や動きを目で楽しめるようにしたものだ。「動く彫刻」ともいわれる。

左)宇宙空間の漆黒の空間を想起させる文字盤パーツ、右)天の川銀河をイメージしたシリコン製のガンギ車

建築に例えれば、ゴシック様式やバロック様式の教会のように、デコラティブ(装飾的)なデザインのものが多く、オリエントスターのこれまでのスケルトンモデルもそのスタイルだった。だが、新しいモデルのスタイルはまったく異なる。ガラスと梁でできた最先端の現代建築といったところだろうか。ムーブメントを宇宙空間に見立て、漆黒の空間を想起させるグレーのパーツの中から、天の川銀河をイメージしてデザインされた先進素材、ブルーシリコン製の「ガンギ車(機械式時計のムーブメントの一部である脱進機を構成する部品の一つ)」や、銀河を駆ける彗星のモチーフが浮かび上がる。

ケースと一体化したブレスレットの造りも上質だ

これまで時計のメカニズムや機械式時計に興味のなかった人をも惹きつける魅力がある。ケースやブレスレットは、価格をはるかに超えた上質な仕上がりで、いま発売されている日本製のスケルトンモデルでは、最高のコストパフォーマンスを実現していると言っていい。スイス製ならおそらく何倍もの価格になるはずだ。 また、手巻きモデルはメカニズムがよく見える。時刻合わせするとき以外、リュウズを操作する機会のない自動巻きモデルとは違い、このリュウズを使って動力源の主ぜんまいを巻き上げるという楽しみがある。ケースサイズは直径39㎜で、スタンダードウォッチ、ドレスウォッチとしてはベストサイズ。ケースの厚さも10.8㎜と薄型で着け心地は快適だ

スケルトンウォッチにかねてから興味がある人はもちろん、機械式時計の魅力がよくわからない、でも関心はある、という方はぜひこの実物に触れてほしい。

ORIENT STAR / オリエント スター

オリエントスター コンテンポラリー スケルトン 34万1000円

SPEC
  • ケース径:39 mm、ケース厚:10.8 mm
  • 手巻き、SSケース&ブレスレット(交換用レザーストラップ付属)、パワーリザーブ約70時間、5気圧防水

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Text : Yasuhito Shibuya

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