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来たるBEV時代へ いまボルボ新型「XC60」を選ぶ理由

ボルボは2022年、初のBEV車(ピュアな電気自動車)である「C40リチャージ」をデビューさせ、2030年までに全車をBEV化する計画の実現に向けた具体的な一歩を踏み出した。一方、内燃機関を搭載した現行ラインアップにも変化がみられる。同年1月、「60シリーズ」と「90シリーズ」のPHEV(プラグインハイブリッド)モデルのマイナーチェンジを発表したのである。

改良の中心となったのは駆動用のリチウムイオンバッテリーの容量拡大で、従来から60%増しの18.8kWhとなった。また、以前はスーパーチャージャーとターボで武装していた2.0リッター、4気筒エンジンからはスーパーチャージャーが外され、低回転側のパワーは前後輪を駆動するモーターを増強することによって補っている。

今回試乗した「XC60リチャージプラグインハイブリッドT6AWD」を例にとれば、マイナーチェンジ前の「XC60 T8ツインエンジンAWD」は40.9kmだったEV走行可能距離が81kmまで増えている。ここまでEV走行の距離が増えれば、平日は自宅で充電をしつつBEVとして使用し、週末に郊外のゴルフ場までドライブする際はハイブリッドカーとして気苦労のない移動が可能になる。

ボルボは今回のマイナーチェンジを「以前はガソリン車にモーターが付いていたが、これからはBEVにエンジンが付帯している感じに変わった」と表現している。確かに新型XC60ならば、整備段階にある充電インフラの不足などにより「いきなりBEVでカーライフを送るのは難しい」と考えているようなオーナーでも、ストレスなくBEVライフをスタートさせられるはずだ。

新型XC60の外観上の差異はマイナーチェンジ前のXC60とくらべてもほとんど感じられない。一方の室内では、インフォテイメントシステムが、以前のSENSUSからグーグルインフォテイメントに変更されている。表示が大きく、音声認識で操るナビも、普段スマホで慣れ親しんだグーグルのそれ。SENSUSも悪くはなかったが、グーグルの方がより直感的に操れるようになっていると感じた。

走りはじめはEV走行のみの「ピュアモード」を選んでみた。以前の65psから145psまでパワーアップした、リアのモーターだけで静かに走っている様子はまさにBEVそのもの。メーター内に表示されたバッテリーとガソリンそれぞれの残走行距離もわかりやすい。スロットルは、シフトをDにしている時は回生ブレーキが弱めで伸びやかな感じ。車両設定の画面でクリープを切り、ドライブを「Bモード」にするとBEVらしいワンペダルドライブが可能になる。慣れれば市街地ではワンペダルの方がドライブしやすく、回生される電気も多い。

長距離走行も多いゴルファーにとって重要なハイブリッド走行でもトピックはある。VEM(ビークル・エネルギー・マネージメント)という機能は、ナビで設定した目的地までのエネルギー消費を最適化してくれるもの。目的地までにバッテリー内の電力を使い切ることで、ガソリンの消費を最小限に抑えてくれる。

もうじきやってくるBEV時代を見据えた次の段階として、ボルボXC60リチャージプラグインハイブリッドT6は現実的な選択肢となる一台だと思う。

ボルボXC60リチャージプラグインハイブリッドT6 AWDインスクリプション  車両本体価格: 934万円(税込)

  • ボディサイズ | 全長 4710 X 全幅 1900 X 全高 1660 mm
  • ホイールベース | 2865 mm
  • 車両重量 | 2180 Kg
  • パワートレーン形式 | 直列4気筒 ターボ+前後モーター
  • 排気量 | 1968 cc
  • 最高出力 | 253 ps(186 kW) / 5500 rpm
  • 最大トルク | 350 N・m / 2500 - 5000 rpm
  • 電動機(モーター) | /交流同期電動機
  • 電動機出力 | 52 kW / 3000 - 4500 rpm(前)、107 kW /3280 - 15900 rpm(後)
  • 最大トルク | 165 N・m / 0 - 3000 rpm(前)、 309 N・m / 0 - 3280 rpm(後)
  • 変速機 | 8速 AT

 

    • Text : Takuo Yoshida

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