快適な走りとゴルフライフを約束するポルシェBEV「タイカン4クロスツーリスモ」

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どの時代にも、ゴルファーのための最高の一台 “ゴルファーズエクスプレス”と呼ばれるクルマがあるはずだ。もちろんゴルフに行く人数によって選択は異なるが、2022年を迎えた現在、パートナーと2人であればポルシェ「タイカン4クロスツーリスモ」はその有力な候補といえるのではないだろうか。

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クロスツーリスモは、昨年後半にポルシェ初のBEV(バッテリーに蓄えた電気だけで走るピュアな電気自動車)であるタイカンのラインアップに追加されたバリエーションモデル。ルーフラインを延長しラゲッジエリアを拡大した5ドアハッチのボディは、平たく言えばステーションワゴンということになるのだが、そのスタイリッシュなシルエットは昨今流行しているシューティングブレーク(スポーツクーペの要素を持つ流線型のステーションワゴン)と呼びたくなる。また車高が20ミリ高められていることで、クロスオーバーSUV的な風格も身につけている。

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“使い勝手のいいタイカン”といった見た目を持つクロスツーリスモだが、ラゲッジ容量の数値的には、4ドアのタイカンの407リットルに対して446リットル(+39リットル差)と大きく違わない。しかし、リアのシートバックを倒すことで1212リットルという大容量のラゲッジスペースを確保でき、ゴルフバッグ2個を縦方向に積み込める上に、スペースにはまだ十分な余裕がある。

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ラゲッジスペースのリアエンドがえぐられているので、リアシートを起こしたままゴルフバッグを積むこともできそうだが、その場合はサイズに注意が必要になるだろう。また、フロントにも84リットルの実用的なラゲッジスペースがあるので、ゴルフ道具はリア、旅の荷物はフロントと使い分けることもできる。ゴルフ用の荷物一式を積む際に、難しいことを考えず直感的に放り込むことができる。それが標準のタイカンと、クロスツーリスモの最大の違いであり、後者がゴルファーに最適な最大の理由といえる。

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タイカンクロスツーリスモのラインアップは4と4S、そしてタ-ボの3種類で、全て2モーターのAWDとなる。今回試乗したタイカン4クロスツーリスモの380ps(オーバーブースト時476ps)という最高出力は、今日ではさほど目を引くものではないが、いきなり全てのパワーが解放されるBEVの性質上、ガソリンの同馬力よりも加速は強烈だ。フラットな姿勢をそのままに、脱兎のごとく加速する。これこそ最新のポルシェという印象がひしひしと伝わってくる。

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BEVであるタイカンの走りは当然のように静かなのだが、実際の印象は静粛性よりも滑らかな乗り心地、質感の方が勝っている。他のあらゆるポルシェと比べてもフロアが強固な印象で、懐が深い3チャンバー(3つのエアチャンバーを備えることで、異なるスプリングレートの制御が行えるほか、ダイナミックからコンフォートと幅広いセッティングが可能)のエアサスペンションの性能も最大限に活かされている。シートはバケット形状で体をガチッとホールドするスポーティな感じだが、乗り心地はしっとりとして快適なのである。

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また、クロスツーリスモにはオフロード走行等のための「グラベル」というモードが追加されており、選ぶと車高が自動的に30ミリ上昇し、ロードクリアランスが広がる。ドライバーからパターまでを1本でこなす、と言ったら大げさだが、クロスツーリスモがポルシェ史上で最大のカバレッジを誇る一台という言い方はできると思う。

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BEVで気になる1充電による航続距離はWLTCモードで360km。とはいえ“ポルシェらしい走らせ方”をした場合は300kmに満たないと考えた方がよく、道中で充電をしなければ片道150km程度の計算となる。それでも都内を起点として房総半島全域をカバーできるし、昨今は充電設備を整えているゴルフ場が多いので、ラウンド中に充電しておけば関東一円を行動範囲とすることも可能だ。

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ポルシェは独自の充電インフラの拡充に特に熱心で、ゴルフ場やホテル、レストラン等に、独自の充電施設「ポルシェ デスティネーションチャージングステーション」の設置を進めている。その中にはCHADeMO(急速)規格で最大150kWを誇り、わずか30分程度でバッテリーの80%を満たせるポルシェターボチャージャーも備える。

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クルマ自体の完成度はこの上なく高く、充電インフラも矢継ぎ早に充実していく。クロスツーリスモをゴルファーズエクスプレスとして推薦したい背景には、そんな将来的な見通しも含まれている。

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ポルシェタイカン4クロスツーリスモ  車両本体価格: 13,410,000 円(税込)

  • ボディサイズ | 全長 4974 X 全幅 1967 X 全高 1409 mm
  • ホイールベース | 2904 mm
  • 車両重量 | 2245 Kg
  • 電動機出力 | 380 ps (280 kW)(オーバーブースト時 476 ps) 
  • 最大トルク | 500 N・m
  • 充電走行距離(WLTCモード)| 360 km  
  • 最高速度 | 220 Km / h
  • 0 - 100 km/h | 5.1 秒

 

    • Text : Takuo Yoshida

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