2021年4月13日、マクラーレンの新型ハイブリッド車「アルトゥーラ(Artura)」が日本で初公開された。税込価格は2695万円。今回は試乗に先駆けて、マクラーレンがただのハイブリッド車ではなく「ハイパフォーマンス ハイブリッド スーパーカー」と呼ぶその実力を探る。
外部電源からの充電が可能なPHEV(プラグイン ハイブリッド システム)を採用することで、フル充電で最大30kmのEV走行が可能。二酸化炭素の排出量を抑えて環境性能を確保しつつ、電流が流れた瞬間に最大のトルクを発生するモーターの特性を生かし、マクラーレンのモデルで最もアクセル操作に対するレスポンスが鋭いのだという。
マクラーレンが今後の進むべき方向を示す重要なモデルとして発表されたこのクルマを理解するポイントは以下の3つとなる。
新世代カーボン アーキテクチャー「MCA」
電動化の時代を見据え、新世代のカーボン構造を取り入れたことが第一のポイント。アルトゥーラは、超軽量ボディ構造のMCLA(マクラーレン カーボン ライトウェイト アーキテクチャー)を採用した最初のモデルになる。軽さはパフォーマンスの向上につながると同時に、省燃費でも大きな役割を果たす。
マクラーレンはもともと、1980年代にF1(フォーミュラ 1)の世界にカーボン構造を導入したブランドであり、それ以降、送り出すすべてのスーパーカーにカーボンを用いてきた。マクラーレン独自のカーボンを自在に使いこなす技術で、ライバルとの差別化を図るつもりだ。
ハイパフォーマンス、ハイブリッド、パワートレーン
エンジンは、ゼロから開発された独創的なレイアウトの3.0リッターV型6気筒直噴ターボエンジンを採用。特徴は120度というユニークなバンク角を持つことで、エンジンのコンパクト化、軽量化、低重心化を可能とした。
組み合わせるのが、同じく新開発された8速DCT(デュアル クラッチ トランスミッション)。ベルハウジング(トランスミッションとエンジンをつなぐクラッチを収めているパーツ)に高出力のモーターが内蔵されている。V6エンジンとシステム全体の出力は680馬力に達し、モーターの特性を活用することで、スロットルレスポンスの速さはガソリンエンジン単体の2倍に向上したという。
快適性と操縦性を両立する先進的なシャシー
リアサスペンションは革新的なシステムで、上部のアッパーウィッシュボーンと、2本のロワーリンク、ホイールセンター前方のタイロッドが組み合わされ、 路面や走行状況に応じてしなやかさと硬さを調整し、快適な乗り心地を実現させた。
また、マクラーレンとして初めて電子制御式ディファレンシャル(Eデフ)を採用したこともトピック。機械式デフより軽量かつコンパクトで、コーナリング時のトラクション(地面をとらえる力)を高める働きをする。
これまで培ってきたカーボン技術による軽量化の促進。環境性能だけでなくパフォーマンスとドライバビリティの向上を図るモーターの活用。高次元における優れた快適さとハンドリングの両立。この3つの達成こそが、マクラーレンがアルトゥーラを次代のスーパーカーに位置づけるゆえんと言えるだろう。
マクラーレン アルトゥーラ 車両本体価格:29,650,000円(税込)
- ※表示価格にはオプションは含まれておりません。
- ※価格には保険料、税金(消費税除く)、自動車リサイクル料金、その他登録等に伴う費用等は含まれておりません。
- ボディサイズ | 全長 4539 X 全幅 1913 X 全高 1193 mm
- ホイールベース | 2640 mm
- 車両重量 | 1498 Kg
- エンジン | V6 DOHCツインターボ+モーター
- 排気量 | 2993 cc
- 最高出力 | 585 ps(430 kW)/ 7500 rpm
- 最大トルク | 585 N・m / 2250 - 7000 rpm
- モーター最高出力 | 95 ps(70 kW)
- モーター最大トルク | 225 N・m(500 kW)
- トータル最高出力 | 680 ps(500 kW)
- トータル最大トルク | 720 N・m
- 最高速度 | 330 Km / h
- 0 - 100 km/h| 3.0 秒
- Text : Takeshi Sato
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マクラーレン・オートモーティブ
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