あのメゾンからラグスポウォッチが遂に登場 ルイ・ヴィトン「タンブール」

©Laziz Hamani

いま最も魅力的な時計作りを行っているのは、時計専業メーカーではなく、ラグジュアリー・コングロマリット傘下にある時計ブランドだ。今回はフランス・パリを本拠地とするLVMHグループのルイ・ヴィトンから、9月に発売されたアイコニックなウォッチ「タンブール」を紹介する。

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1990年代、ファッションメゾンが販売する時計の多くがライセンス品だったが、2000年以降は時計専業ブランドを買収し、グループ傘下にしたことで状況は一変した。時計専業ブランドの伝統と技術が、ファッションメゾンの洗練されたデザインセンスと融合。さらに優れた人材が、メゾンの時計部門に引き抜かれ、続々と魅力的な時計が企画・開発・販売されるようになった。

2022年に誕生20周年を迎えたタンブールは、ルイ・ヴィトン初のウォッチコレクションで、ファッションメゾンが作った時計のお手本ともいえる時計だ。タンブールとはフランス語で「太鼓」を意味し、モデル名はなめらかな三次曲面で構成されるケースサイドの造形に由来する。

この20年間、タンブール・コレクションは劇的に進化し続けてきた。クロノグラフやダイバーズ、ワールドタイム、GMTウォッチ、レディスウォッチ、そして時計愛好家を唸らせる多彩で芸術的なコンプリケーションモデル(複雑時計)や、独自の輝きを持つスマートウォッチを誕生させた。

  • 2021年度のジュネーブ・ウォッチ・グランプリのオーダシティ賞を受賞したオートマタ機構付き複雑時計「タンブール カルペ・ディエム」」(©Ulysse Frechelin)

  • 独自のスピン・タイム式時刻表示機構を搭載する「エスカル スピン・タイム オトマティック スティール レインボー」

  • スマートウォッチの「タンブール ホライゾン ライト・アップ」

そして今年の秋、初の自社製の自動巻き3針ムーブメント「キャリバーLFT023」を、ブレスレット一体型の薄型ケースに収めた、ブランド初のラグジュアリースポーツウォッチを発表した。

直径30.6㎜、22K素材のマイクロローターを使った自動巻き機構を搭載し、ムーブメント厚はわずか4.2㎜に抑えた。パワーリザーブ50時間、ISO 3159 クロノメーター規格 (平均日差マイナス4秒〜プラス6秒)をクリアする高精度を実現したのは、現代を代表する時計師の一人、ミッシェル・ナバス氏が率いるルイ・ヴィトン傘下のウォッチメイキングアトリエ「ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトン」。

  • メゾン初の自社製自動巻きムーブメント「キャリバーLFT023」(©Piotr Stoklosa)

  • ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトンを率いるミッシェル・ナバス氏(©Yasuhito Shibuya 2022)

ケース径は40㎜で、ケース厚は8.3㎜。文字盤はもちろん、ブレスレットのひとコマ、シースルーのケースバックから鑑賞できるムーブメントのディテールに至るまで、ルイ・ヴィトンの美学が貫徹され、他のラグジュアリーウォッチとは一線を画した仕上がりとなっている。

LOUIS VITTON / ルイ・ヴィトン
タンブール オトマティック(シルバー W1ST10, ブルー W1ST20) 各261.8万円(税込)

SPEC
  • ケース径:40 mm
  • 自動巻き、SSケース&ブレスレット、認定クロノメーター(クロノメーター検定機関)、50m防水

お問い合わせ先

  • ルイ・ヴィトン クライアントサービス フリーダイヤル:0120-00-1854

Text : Yasuhito Shibuya

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