60年の時を超えて進化した永遠の定番 ラドー「ダイヤスター オリジナル」

時計の世界ではいくつも「永遠の定番」と呼ばれるモデルがある。ラドーの「ダイヤスター」もそのひとつ。今回紹介するのは、誕生から60年を経て進化した新世代の「ダイヤスター オリジナル」だ。

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1962年に誕生したダイヤスターは、上下に長い楕円形(数学的にいえば円すい形の上の部分をカットした形)のベゼルを持ち、時計好きならだれもが知っている美しく個性的なデザインの腕時計だ。スイス時計の代名詞でもあるラドーの名は、60代以上の人なら、クイズ番組の優勝者に贈られる商品として記憶している人も多いはず。

初代のダイヤスター(ダイヤスター1)は、美しいデザインに加えて、素材や機能面でも、時代の先駆けとなった画期的な時計だった。この時計に関連して、4つの特許を取得したという。

1962年 ダイヤスター1(初代ダイヤスター)

その一例が、ベゼルに普通のSS(ステンレス)よりも硬いハードメタル(炭化タングステン合金)、風防にダイヤモンドの次に硬いサファイアクリスタルを採用したことだ。この2つの超硬素材を使うことで「スクラッチプルーフ」、つまりケースや風防を傷付きにくくした。

セラミックなど、SSより硬い素材を使ったベゼルやサファイア風防が当たり前となったのはここ20年あまりのこと。それゆえダイヤスターは40年も時代を先駆けていたといえる。防水性も22気圧防水と、時代の先を行っていたのだ。

このダイヤスターをきっかけに、ラドーは「新素材の開発」で時計業界をリードし、新素材で時計デザインの新たな可能性を追求するブランドとして、歴史に残る画期的な時計を続々と世に送り出してきた。

1986年には初めて酸化ジルコニウム系の「ハイテクセラミック」素材を採用した時計を発表。ホワイトハイテクセラミックにプラズマ処理を行い、メタリックなカラーと質感を実現した「プラズマハイテクセラミック」に進化している。

さらに1993年には、約90%の炭化チタンと10%の金属から生まれた「セラモス」という独自素材を開発した。セラミックの硬度と軽さ、金属の強靭さと美しい光沢、ふたつの素材の良いところだけを兼ね備えた複合素材で、初代ダイヤスターに使われたハードメタルの発展型ともいえる。

「セラモス」は、チタン系の複合素材。その輝きはまさに金属そのもの

2022年に登場したダイヤスター オリジナルのベゼルには、この素材が採用されている。そして文字盤を覆う風防はもちろんサファイアクリスタル。しかも縦方向にファセットカット(角度の違う多数の小さな切子面を幾何学的に組み合わせたカッティング方法)が施され、楕円形のベゼルと共に、光が当たる角度によってその名にふさわしいキラリとした輝きを放つ。直径38㎜という、大きすぎず小さすぎない男性にベストなサイズ。ケース厚も12.1㎜と、スタンダードウォッチとしては薄めで着け心地も軽快だ。

文字盤は美しいグリーン、ブルー、グレーの3色、いずれもマット仕上げで、12時位置にはラドーの自動巻きモデルであることを示すアイコン「回転する錨のマーク」がセットされている。6時位置にはユニークな縦型のデイデイト(日付曜日)を表示。ロジウムカラーの針には白い蓄光塗料(スーパールミノバ)が塗布されているので、暗い場所でも時刻が確実に読み取れる。

文字盤の裏で時を刻むのは「ニヴァクロン製ひげゼンマイ」で、約80時間というロングリザーブを実現した新世代の自動巻き機械式ムーブメントを搭載している。

60年の時を経て、基本デザインや機能をキープしながら、すべてが進化したラドーの名作。これだけ充実した仕様且つ、スイスメイドで20万円台という価格も驚異的だ。まさに「永遠の定番」と呼べる一本だろう。

RADO / ラドー
ダイヤスター オリジナル(Ref.R12160303 グリーン文字盤、Ref. R12160213 ブルー文字盤、Ref. R12160103 グレー文字盤) 各21万5600円(税込)

SPEC
  • ケース径:38㎜
  • 自動巻き、自動巻き、セラモスベゼル&SSケース&SSブレスレット、10気圧(100m)防水

お問い合わせ先

  • 0120-98-8000(フリーダイヤル)

Text : Yasuhito Shibuya

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