タイガーの母クルチダさんが亡くなった。
黒人の父アールさんとともに、
3人はLAの白人の住む地域に住んでいた。
タイガーは小さい頃学校でいじめられたという。
母はことあるごとにタイガーに
釈迦に祈っているかと確かめた。
「私の育った文化では感情を表に出しません。
それはよくないことなんです」
また母はタイガーに「試合に絶対勝つように」
とも言い続けた。
伝説となったタイガーの功績は
父の厳しい教えと、母の仏教の精神に
基づいたものだった。
タイガーの試合は必ず母が見守った。
どんな逆境のときも優しく寄り添った。
15歳でPGAツアーデビューを飾った
リビエラCCでの試合は今年、
パリセーズの火災の影響で
会場がトーリーパインズGCに移される。
タイガーにとっては思い出深いコース。
大記録のそばには、いつも母がいた。

宮本 卓Taku Miyamoto
1957年、和歌山県生まれ。神奈川大学を経てアサヒゴルフ写真部入社。84年に独立し、フリーのゴルフカメラマンになる。87年より海外に活動の拠点を移し、メジャー大会取材だけでも100試合を数える。世界のゴルフ場の撮影にも力を入れており、2002年からPebble Beach Golf Links、2010年よりRiviera Country Clubほか、国内数々のオフィシャルフォトグラファーを務める。また、写真集に「美しきゴルフコースへの旅」「Dream of Riviera」、作家・伊集院静氏との共著で「夢のゴルフコースへ」シリーズ(小学館文庫)などがある。全米ゴルフ記者協会会員、世界ゴルフ殿堂選考委員。