広島ゴルフ倶楽部 鈴が峰コースが
まもなく100周年を迎えようとしている。
1929年、元々はいまの広島カンツリー倶楽部
八本松コースがある場所で創設されたが、
戦争で1942年に閉鎖した。
会員の多くは原爆で被災、困難を乗り越え
1952年、現在の地・宮島を望む丘の上で再開した。
設計は広島出身の佐藤儀一。
佐藤は井上誠一、上田治と並ぶ
日本を代表するゴルフ設計家だ。
二人との大きな違いは
ゴルフプレーヤーとしてもピカイチで
日本アマ3連覇を含む4勝に加え、
廣野ゴルフ倶楽部で17年連続の
クラブチャンピオンに輝いている。
佐藤の処女作となった広島ゴルフ倶楽部で、
2人の日本アマチャンピオンが生まれた。
倉本昌弘と倉本泰信だ。
ジュニアの頃からメンバーとなり
腕を磨いていった。
彼らは丘陵地の傾斜で育ち
どんなライからでもグリーンを捉える
技術を身につけた。
穏やかな瀬戸内海を見渡しながらのゴルフは格別だ。
平和があってこそのゴルフ。
今回、日本被団協のノーベル平和賞受賞により
改めて尊さをかみ締めた。
宮本 卓Taku Miyamoto
1957年、和歌山県生まれ。神奈川大学を経てアサヒゴルフ写真部入社。84年に独立し、フリーのゴルフカメラマンになる。87年より海外に活動の拠点を移し、メジャー大会取材だけでも100試合を数える。世界のゴルフ場の撮影にも力を入れており、2002年からPebble Beach Golf Links、2010年よりRiviera Country Clubほか、国内数々のオフィシャルフォトグラファーを務める。また、写真集に「美しきゴルフコースへの旅」「Dream of Riviera」、作家・伊集院静氏との共著で「夢のゴルフコースへ」シリーズ(小学館文庫)などがある。全米ゴルフ記者協会会員、世界ゴルフ殿堂選考委員。