メルセデス・マイバッハが手がけた初のオープンスポーツカー「SL680モノグラムシリーズ」。華やかなデザインと圧倒的な存在感が融合し、特別なシーンを彩る一台が日本に上陸した。
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SL680モノグラムシリーズの最大の特徴は、ボンネットに広がるモノグラム柄。オブシディアンブラックに塗られた上には、まるでルイ・ヴィトンを彷彿とさせる華やかな模様が描かれている。しかし、よく見るとマイバッハの象徴である「M」が三角形の枠内に繰り返しデザインされたものだ。このパターンは幌や黒いアンダーグリルにも施され、頂上ブランドの存在を強く主張している。
フロントフェイスも通常のSLとは一線を画す。グリルはマイバッハの象徴であるクロームメッキの格子デザインに、ヘッドランプにはローズゴールドのアクセントが施され、専用エンブレムが輝く。一目でただ者ではない風格を感じさせる。
21インチの鍛造アルミホイールは、マルチスポークデザインで上品さと力強さを両立し、ボディ全体と見事に調和している。この特別なSLの姿は、まるでレッドカーペットに登場した俳優のような華やかさを放つ。
カラーは「MANUFAKTURガーネットレッド」と「MANUFAKTURオパリスホワイトマグノ」の2色展開。それぞれオブシディアンブラックが差し色として配され、全体の統一感を高めている。室内にもこだわりが詰まっており、植物なめしを施したナッパレザーを使用したクリスタルホワイトの内装が上品だ。随所に刻まれたブランドのロゴが特別感をさらに際立たせる。
このSLは、特別なシーンでこそ真価を発揮するだろう。例えば、パーティー会場やイベント会場にさっそうと乗り付け、ソフトトップを開ける瞬間。周囲の視線を集めること間違いなしだ。
動力性能はメルセデスAMG SL63 4MATIC+と同様、585psの最高出力を誇る4リッター、V8ツインターボを搭載している。しかし、サスペンションのセッティングはマイバッハ専用に調整され、よりゆったりとした乗り心地を提供してくれるはず。この点については、試乗で確認したいポイントだ。 また、マイバッハ初のオープンスポーツカーということもあり、エンジン音のチューニングにも注目したい。風を切りながら聞こえるV8エンジンのサウンドが、ラグジュアリーでありながらスポーティさを損なわない調和を奏でているのか、期待が膨らむ。
さらに、実際の走行時のハンドリングや、ゆったりしたサスペンションセッティングの仕上がり具合も試してみたい。バブル時代を思わせる豪華さをまといながら、現代の道路状況に適応したバランスがどのように実現されているのかも興味深い。
SL680モノグラムシリーズのデリバリー開始は2025年第4四半期。価格は未定。メルセデスAMG SL63 4MATIC+を上回る価格帯になることは確実だが、その存在は市場をさらに活気づけるだろう。街中で目にしただけでも盛り上がれそうな一台の誕生を大いに歓迎したい。
メルセセデス・マイバッハSL680モノグラムシリーズ 車両本体価格: 未定
- ボディサイズ | 全長 4705 X 全幅 1915 X 全高 1353 mm
- ホイールベース | 2700 mm
- 車両重量 | 1940 kg
- 排気量 | 3982 cc
- エンジン | V8ツインターボ
- 最高出力 | 585 ps(430 kW)
- 最大トルク | 800 N・m
- トランスミッション | 9速 AT
Text : Takuo Yoshida