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新型「T-Roc」 フォルクスワーゲンのヒット作が描く次世代コンパクトSUVのかたち

SUVというジャンルがクルマの主役に躍り出てから、すでに四半世紀が経つ。プレミアムブランドも量販ブランドもこぞってクロスオーバーを生み出すなか、2017年にデビューしたフォルクスワーゲン「T-Roc」は、ゴルフ級のサイズ感とSUVらしい存在感を絶妙にブレンドし、瞬く間にベストセラーとなった。その背景には、VWが長年磨いてきた「合理と遊び心の共存」がある。ゴルフが“定番”を体現したなら、T-Rocはその上に“自由さ”を付け加えた存在だった。

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そして2025年、フルモデルチェンジを受けて登場する新型T-Roc。初代で築いた成功体験をさらに押し広げるべく、デザインも技術も大きく刷新された。

フロントまわりは、VW最新世代のデザイン言語を取り入れ、水平基調のライトバーと新形状のグリルでワイド感を強調。夜間にはVWロゴが発光し、後ろ姿でも一目で新型とわかる。サイズは全長が拡大され、後席やラゲッジの使い勝手が向上。荷物を多く積みたい週末のアクティビティでも頼りになりそうだ。

インテリアも一新され、最大13インチのディスプレイやイルミネーション付きのアンビエントライトを装備。Styleグレードには14ウェイ調整可能なマッサージ機能付きエルゴアクティブシートが用意されるなど、上級モデル顔負けの快適性が期待できる。しかも、リサイクル素材を積極的に取り入れるなどサステナビリティへの配慮も抜かりない。

パワートレインは1.5リッター、eTSIマイルドハイブリッド(MHEV)が主役。さらにフルハイブリッドや2.0リッター TSIを組み合わせた4MOTION、スポーティな「R」まで展開予定とされる。選択肢が広がることで、ユーザーのライフスタイルに合わせたベストバランスを見つけやすくなるだろう。

ただし、現時点ではまだ試乗の機会はない。実際に走らせたときに気になるのは、やはりサスペンションの仕上がりだ。拡大されたボディがもたらす安定感と、マイルドハイブリッド特有のスムーズな加速フィールがどのように融合しているのか。また、VWらしい“しっとりとしたハンドリング”は受け継がれているのかも注目したい。

さらに、静粛性と乗り心地のバランスも試したいポイントだ。拡張された室内空間でどれだけ上質なドライブ体験が実現されているかは、ライバルとの差別化につながる重要な部分。エンジンサウンドの遮音や、路面のアンジュレーションをどういなすかは、実車で確認してみたい。

新型T-Rocの日本導入はまだ先だが、欧州ではすでに先行予約が始まっている。コンパクトSUVがひしめく市場において、このモデルがどんな“次の定番”を提示してくれるのか。実際にステアリングを握る瞬間を心待ちにしながら、その仕上がりに大きな期待を寄せたい。

Text : Takuo Yoshida

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