BRUDER

メニュー 検索する
閉じる

お洒落だが獰猛!新世代ロータスが放つ超が付く高性能 ロータス「エレトレ R」

電動化の流れがスポーツカーブランドにも波及しているのは良く知られている。中でもイギリスのロータスはBEV(電気自動車)ブランドとなるべくラインアップの拡充に努めている。その第一弾がハイパーカーの「エヴァイヤ」。それに続くのがオールエレクトリックハイパーSUVと呼ぶ「エレトレ」だ。

<関連記事>BEV時代のスタンダードモデル フォルクスワーゲン「ID.4プロ」 

エレトレは3車種で構成されている。ベースモデルのエレトレ、ミドルグレードの「エレトレ S」、そして今回試乗した「エレトレ R」。全てのモデルがボディの前後にモーターを置くAWD(全輪駆動)となるが、エレトレとエレトレ Sの最高出力が612psであるのに対し、エレトレ Rは918psという最高出力を誇る。

実車のサイズ感は相当なものだが、滑らかな面とウェッジが調和したデザインはロータスのスポーツカーそのもの。左右のヘッドライトの脇には「エヴァイヤ」にもあった空気の通り道のような孔が開いている。標準装着のタイヤは23インチもあり、大地に踏ん張る姿からはSUVっぽい腰高感など微塵も感じられない。

インテリアはバックスキン調のマテリアルを上手に使い、スポーツカーというより知的、そして近未来的といった雰囲気が感じられる。ガラスルーフから入る光もほどよく室内を照らし、室内空間はゆったりとして見える。フロントシートと同じくらいリアシートの質感、広さにも配慮が行き届いていて驚きに満ち足りた空間になっている。

ハマグリ型のキーを持って乗り込むだけでスタートスイッチを押すことなく電源が入り、シフトをDに入れると静かにスッと走りはじめる。まるで水面を滑るボートのよう? パワフルな見た目、918psというスペックからすると拍子抜けするくらい優しい路面のタッチ。その感触は「まるで初代エリーゼのような」と形容したくなるような浮遊感に似ている。

ところがスロットルを踏み込むと一気呵成の加速がはじまり、落ち着いた雰囲気でのドライブの世界観が一変する。フロントに306ps、リアに612psのモーターを積んでいる効果は圧倒的で、スロットルを踏み倒す前に頭をヘッドレストに預けておかないと首を捻挫してしまいそうになる。公道では全開放できないほどの大パワー。トラクションはリア偏重なので、おそらくクローズドコースを走らせたらスリリングで楽しいハンドリングなのかもしれないが、公道では不必要なほどのパワーだと感じた。

静かに走らせているときの高級サルーン然とした佇まいと、パワーを炸裂させたときの狂い方のギャップは相当なもの。普通は同居できそうにない2つの個性、そこに折り合いをつけているのがアクティブエアサスペンションだ。低速ではフワッとした乗り心地に終始するが、加速の際は瞬時にサスペンションが硬くなり、ロールやピッチングを上手に相殺してくれる。

だがエレトレ Rのトピックは加速だけではない。車体全周に張り巡らせた18個レーダー、12個のカメラ、そして4つのライダー(Light Detection and Ranging)が周囲の状況を見張っており、センターモニターに映し出される。当然のようにACC(アクティブ・クルーズ・コントロール)とレーンキープの性能も非常に高く、信頼が置ける。走りに関しては低速から高速まで、さらにはADAS(先進運転支援システム)まで非常に高いレベルで仕上げられている。

荷室はフロントボンネット下に46リットル、リアには688リットルもの大容量を備えており、収納力は抜群。ボディサイズは大きいものの、それに見合った広々としたスペースユーティリティを提供。さらに、軽快に走るエリーゼのような感覚の仕上がり。ロータス初の市販BEVとして、エレトレ RはオールエレクトリックハイパーSUVでありながら、まさに"最強のゴルファーズエクスプレス"といえる一台。

ロータス エレトレ R  車両本体価格: 2324.3万円(税込)

    • ボディサイズ | 全長 5103 X 全幅 2019 X 全高 1636 mm
    • ホイールベース | 3019 mm
    • 車両重量 | 2715 kg
    • モーター最高出力 | 918 ps(675 kW)
    • モーター最大トルク | 985 N・m
    • 一充電走行距離 | 450 km(WLTCモード)
    • 0-100 km / h | 2.95 秒

お問い合わせ先

Text : Takuo Yoshida

閉じる