王位継承、ロールス・ロイス「ファントム」

ロールス・ロイスの旗艦であるファントムが、今年フルモデルチェンジを果たし、8代目に代替わりすることが発表された。1920年代から世界中の王侯貴族や国家元首の移動を支えてきた大型サルーンは、ベストカー・イン・ザ・ワールドと誉れ高きロールス・ロイスのブランドイメージを牽引する存在でもある。伝統のファントム、その最新モデルの全容を紐解く。

新型車は話題性や性能で語られることが多いが、流行とは関係なく一定の顧客のために作り続けられるクルマも存在する。ロールス・ロイス ファントムは運転をプロに任せオーナー自身はリアシートに座る、いわゆるショーファードリブンという使い方が一般的なエグゼクティブサルーンである。だがロールス・ロイスがBMWの傘下となって以降の2003年にリリースされた7代目ファントムは、ビスポークオーダーからカタログモデルとなったことで、その魅力をより多くの人が享受できる1台になっている。元来のエグゼクティブ以外に、自らステアリングを握るようなセレブリティの愛車としても親しまれるようになった。今年の7月末に発表された新型は、全体的なシルエットは先代の意匠を強く受け継いでいるが、中身は完全に刷新されている。

新型ファントムの骨格は新開発のアルミニウム製アーキテクチャーで、先代よりも30%ほど剛性がアップし、同時に軽量化も果たしているという。「マジックカーペットライド」と同社が命名する極上の乗り心地は、車高調整機能が付いた電子制御のエアサスペンションと新型アーキテクチャーが融合することで生み出される。フロントノーズに収まるパワーユニットは、先代の6.75リッター自然吸気V12から、6.7リッターツインターボのV12に変更されている。スタンダードとロングホイールベースといったバリエーションはもちろんのこと、ハイブリッドやPHEVモデルの計画も後に控えていると言われている。

新型ロールス・ロイス ファントムは写真で見てもわかる通り、短めのフロントと長いリアオーバーハングというファントムの伝統に則ったスタイリングにまとめられており、ホイールはボディサイズに合わせて22インチ径が標準装備となっている。ドアの開きは先代と同様にコーチドアと呼ばれる観音開きとなっており、豪奢なひじ掛けのセンターセクションで仕切られた2名分のリアシートは、広い足元や使われている革素材を含め贅を尽くしたスペースとして完成されている。また、天井を夜の星空のように見せるスターライトヘッドライナーも過去最大の面積で採用される。
新型ファントムの本邦デビューは2017年末となっている。

Rolls-Royce Phantom
車両本体価格:未定
日本発売時期:2017年、末予定

bruder.golfdigest.co.jp

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