機械式腕時計の中でも「アラームウォッチ」は特別な存在だ。毎年何百もの新作が発表される中で、アラーム機能を持つモデルはごく少数。まさに希少性の高い逸品といえるだろう。今回紹介するのは、そんなアラームウォッチの新たな傑作。ボール ウォッチが放つ「ロードマスター アラーム GMT(ジーエムティ)」だ。
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ボール ウォッチは、1891年に米国で誕生したブランド。鉄道時計としての精度と視認性を追求し、1990年代に復活を遂げた。その後も伝統を受け継ぎつつ、高い耐久性と魅力的な価格を武器に世界中の時計愛好家から支持を集めている。昨年登場したGMT(グリニッジ標準時)モデルは、耐衝撃性や耐磁性能に優れた仕様で話題となったが、そこから約1年。さらに進化した新モデルが登場した。
機械式アラームとはどんなものか。イメージしやすいのは、昔ながらの目覚まし時計だ。金属製のハンマーがチャイムをたたき、「リリリリーン」と響くあの音。それが小さな腕時計の中で再現されていると聞くと驚くだろう。この仕組みを実現するのは、わずか数ブランドの高級時計だけ。それほど技術的に難しい挑戦なのだ。
ボール ウォッチは3年もの歳月をかけ、アラーム用のハンマーやゴングを新たに設計した。さらにケース裏に12カ所のノッチを設け、響きを増幅。4時位置のリュウズを使って10分単位でセットした時間になると、美しい音と腕に伝わる機械式特有の振動で通知してくれる。
加えて、通常の針やGMT針の操作は2時位置のリュウズで行い、手巻きによるエネルギー充填も可能だ。このモデルには自動巻きのムーブメントが採用されているが、アラーム用と時計用、それぞれ独立した主ゼンマイが用意されている。
名前にある「GMT」は24時間針による第2時間帯表示機能を指す。そして、両方向回転式のセラミック製24時間ベゼルを活用すれば、第3時間帯まで表示が可能。異なるタイムゾーンの時刻を同時に把握できる機能は、旅行やビジネスシーンで重宝する。
ケース素材には「904Lスーパーステンレス」を採用した。通常の「316L」よりも高い硬度と耐久性、美しい輝きを持つ素材だ。また、シースルーバック仕様ながら100m防水を実現。細部まで抜かりない設計が光る。
針やインデックスには、一般的な蓄光塗料ではなく、マイクロ・ガスライトを使う。トリチウムガスを封入したガラスチューブが暗闇でも明るく輝くため、視認性は抜群だ。さらに、機械式時計としては最高レベルの5,000Gsの耐衝撃性能を持ち、アウトドアやスポーツ時にも安心して使える。
これほどの機能性とディテールを詰め込んだ機械式アラームウォッチが、88万円という価格で登場。生産数は世界限定333本のみ。10月31日から公式ウェブサイトで予約を受け付けている。しかも先着順で好きな限定番号を選べる特典付き。この希少なアラームウォッチ、手に入れるなら早めのアクションをおすすめしたい。
BALL WATCH / ボール ウォッチ
ロードマスター アラーム GMT(DA9100C-S1J-BKR) 88万円(税込) 世界限定:333本 発送予定:2025年1月下旬~2月上旬
- SPEC
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- ケース径:41 ㎜
- ケース素材:904Lステンレス
- 防水性能:100m
- ムーブメント:自動巻(BALLキャリバーRR7379)
- 機能:GMT、機械式アラーム、5,000Gs耐衝撃性
お問い合わせ先
- ボール ウォッチ・ジャパン TEL : 03-3221-7807
Text : Yasuhito Shibuya