今回僕は東京を離れ
少し田舎に居を構えた。
確かに都心に住んでいると
とにかく便利で満たされるものも多い。
しかし何かが足りないと感じるひと時を
愉しみたいと思うようになった。
それはカメラも同じだ。
今の機能は全てが満たされていて、
携帯電話でも素晴らしい写真が撮れる。
その便利さとは引き換えに
写らなくなった「何か」が
あるように思えてならない。
僕はとっさにモノクロモードで
コースの写真を撮ることがある。
その瞬間に同じ景色が
「何か」を炙り出した。
物事の本質や美しさは
その時空の中に
ひっそりと佇んでいる。
今という時代の意味を
モノクロームの世界で
味わうのも一興だ。
Riviera Country Club
リビエラカントリークラブ
宮本 卓Taku Miyamoto
1957年、和歌山県生まれ。神奈川大学を経てアサヒゴルフ写真部入社。84年に独立し、フリーのゴルフカメラマンになる。87年より海外に活動の拠点を移し、メジャー大会取材だけでも100試合を数える。世界のゴルフ場の撮影にも力を入れており、2002年からPebble Beach Golf Links、2010年よりRiviera Country Club、2013年より我孫子ゴルフ倶楽部でそれぞれライセンス・フォトグラファーを務める。また、写真集に「美しきゴルフコースへの旅」「Dream of Riviera」、作家・伊集院静氏との共著で「夢のゴルフコースへ」シリーズ(小学館文庫)などがある。全米ゴルフ記者協会会員、世界ゴルフ殿堂選考委員。