旅する写心 〜「一瞬のアダージョ」2007年 ダンロップフェニックス

石川遼がアマチュアで
初優勝したのが2007年。
その年のダンロップフェニックスで
僕は初めて彼をファインダーに収めた。

もうすでに時の人になっていて
どんなプレーをするのか
ロサンゼルスからワクワクした気分で帰国した。

高校1年生の遼は恐れるものは何もなく
ただひたすらピンをめがけてプレーしていた。
その眼差しにギャラリーだけではなく
我々カメラマンも翻弄されていた。

ショットは曲がるものの、
それがまた魅力に感じる
何かを秘めていた。

最近はJGTOの選手と接する機会が多いが
今、一気に若い世代が力を発揮し始めている。
彼らの多くは遼をテレビで観て、
自分も自分もと上を目指してきた。

何かと男子ツアーは
ネガティブな目線で見られがちだが、
マグマは確実に爆発の機会をうかがっている。

コロナ禍で試合が思うように始まらないが
この期間をどう過ごすか。
彼らの今後の活躍は
またさらに遼のプレーに火をつけるに違いない。

フェニックスカントリークラブ

宮本 卓Taku Miyamoto

1957年、和歌山県生まれ。神奈川大学を経てアサヒゴルフ写真部入社。84年に独立し、フリーのゴルフカメラマンになる。87年より海外に活動の拠点を移し、メジャー大会取材だけでも100試合を数える。世界のゴルフ場の撮影にも力を入れており、2002年からPebble Beach Golf Links、2010年よりRiviera Country Club、2013年より我孫子ゴルフ倶楽部でそれぞれライセンス・フォトグラファーを務める。また、写真集に「美しきゴルフコースへの旅」「Dream of Riviera」、作家・伊集院静氏との共著で「夢のゴルフコースへ」シリーズ(小学館文庫)などがある。全米ゴルフ記者協会会員、世界ゴルフ殿堂選考委員。

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