旅する写心 〜Con Te Partirò

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ゴルフをプレーする上で
飛ばすこともパッティングも
非常に大事だが
アプローチもとても大切。
それはゴルフ場においても同じ。
コースもクラブハウスも大事だが
ゲートを過ぎてからのアプローチで
どれだけその日の
テンションを上げられるかだ。

丹波の山間を登っていく。
ザ・サイプレスGCの
小さな看板を見つけると
後続車がいないことを確認し
一度車を停めた。
お気に入りのアンドレア・ボチェッリ
「コン・テ・パルティロ」をかける。
ゆっくりなリズムに合わせ
車もゆっくりと走らす。
橋を渡り、桜が咲き誇る中で
木漏れ日と影のマリアージュを
存分に味わう。

やがてコースがチラチラと見え始める。
もう気分は上々だ。
アンドレアの声が車中に響き渡る。
今日宿泊するロッジが見え始めると
クラブハウスはもうすぐだ。
エンディングに合わせ
車を正面玄関につける。

ドアをカチッと開けた瞬間
今日のゴルフのスイッチが入った。

INFORMATION

本コーナーで執筆する写真家・宮本卓氏の作品を集めた写真展が、3月10日(木)~4月25日(月)まで、東京都のキヤノンギャラリー S(品川)で開催されます。国内のゴルフコースで撮影した美しさ際立つ「光」や「一瞬」をとらえた18点を展示するほか、2021年「マスターズ」で撮影した作品をプロジェクターで上映します。


宮本卓 写真展「HIKARI has come すべてはこの瞬間のために」
場所:キヤノンギャラリー S(品川)
期間:3月10日(木)~ 4月25日(月)
時間:10:00-17:30 ※日曜・祝日休館

宮本 卓Taku Miyamoto

1957年、和歌山県生まれ。神奈川大学を経てアサヒゴルフ写真部入社。84年に独立し、フリーのゴルフカメラマンになる。87年より海外に活動の拠点を移し、メジャー大会取材だけでも100試合を数える。世界のゴルフ場の撮影にも力を入れており、2002年からPebble Beach Golf Links、2010年よりRiviera Country Club、2013年より我孫子ゴルフ倶楽部でそれぞれライセンス・フォトグラファーを務める。また、写真集に「美しきゴルフコースへの旅」「Dream of Riviera」、作家・伊集院静氏との共著で「夢のゴルフコースへ」シリーズ(小学館文庫)などがある。全米ゴルフ記者協会会員、世界ゴルフ殿堂選考委員。

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