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旅する写心 〜PGA Tour Is Coming To Town

ZOZOチャンピオンシップは
関係者の想像をも上回る
最高の結果となった。
こんな日が来るとは…
海を渡って30年以上
PGA Tourを追いかけてきた
私にとっても、感慨深かった。

1980年代の後半、
私がPGA Tourで撮影を始めた頃は
セベ、ファルド、ライル、ランガーら
欧州ツアー勢が次々に参戦してきて
アメリカ人選手は劣勢の時代だった。
出場試合数に制限を設けたりして
あのPGA Tourが
防御に躍起だったことを思い出す。
タイガーの出現で時代が変わった。
賞金が大きく跳ね上がったPGA Tourは
世界のトップツアーとして大成功を納め、
欧州ツアーも世界各国での開催に
成功モデルを見いだした。

両ツアーが目をつけたのがアジアだ。
最初に進出したのは欧州ツアー。
「ジョニー・ウォーカークラシック」を
92年からシンガポールやタイで開催し、
次第にアジアでの開催数を増やした。
PGA Tourも2007年から
W杯を中国開催にして手応えを確認し、
09年からのWGC上海開催で追随した。
その頃から「いつかは日本で」との構想を聞いていた。

今回の「ZOZO--」で驚いたことは
ギャラリー数の多さだけでなく、
拍手の温かさ、心のこもった声援、
スターを見つめる観客一人ひとりの笑顔だった。
私のゴルフ人生においても
そこで見た景色はいつまでも忘れない
とても大切な大会となった。

宮本 卓Taku Miyamoto

1957年、和歌山県生まれ。神奈川大学を経てアサヒゴルフ写真部入社。84年に独立し、フリーのゴルフカメラマンになる。87年より海外に活動の拠点を移し、メジャー大会取材だけでも100試合を数える。世界のゴルフ場の撮影にも力を入れており、2002年からPebble Beach Golf Links、2010年よりRiviera Country Club、2013年より我孫子ゴルフ倶楽部でそれぞれライセンス・フォトグラファーを務める。また、写真集に「美しきゴルフコースへの旅」「Dream of Riviera」、作家・伊集院静氏との共著で「夢のゴルフコースへ」シリーズ(小学館文庫)などがある。全米ゴルフ記者協会会員、世界ゴルフ殿堂選考委員。

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