昨年、マスターズ関係者と食事をした時、
「タクは松山の次にマスターズ勝つのは、
タクミとケイタ、どっちだと思う？」と聞かれ、
思わず考え込んでしまった。
今年の男子ツアーの展開は
今考えれば、まさしく彼の想像どおり、
金谷拓実と中島啓太、
二人の熱い闘いがツアーを盛り上げた。
ガチンコで勝負する二人は、
試合後、互いを称え合うことを忘れなかった。
今年の中島は一皮も二皮もむけたと思う。
コースメモを持たずに
ピンポジションと風だけを読み、
ボールの弾道のイメージを大切にする
プレースタイルに変更した。
谷口徹から「数字に囚われすぎている」
というアドバイスで気づいたという。
強くなった中島に
金谷自身もスイッチが入ったと認めた。
あの食事の時、僕はう〜んと唸った挙句
「ケイタかな、、、」と答えると、
彼は驚き、「僕はタクミだと思う」
といった。
彼は何度か金谷のプレーを見ていて
将来性を感じたらしい。
しかし僕は中島の伸びしろに期待したかった。
僕はAONと共に日本も海外も旅してきた。
彼らの負けず嫌いは
誰よりも知っているつもりだ。
きっと二人に火をつけた松山英樹こそが
二人の将来性を感じているに違いない。
クリスマス、マスターズの招待状は誰に届く？
宮本 卓Taku Miyamoto
1957年、和歌山県生まれ。神奈川大学を経てアサヒゴルフ写真部入社。84年に独立し、フリーのゴルフカメラマンになる。87年より海外に活動の拠点を移し、メジャー大会取材だけでも100試合を数える。世界のゴルフ場の撮影にも力を入れており、2002年からPebble Beach Golf Links、2010年よりRiviera Country Clubほか、国内数々のオフィシャルフォトグラファーを務める。また、写真集に「美しきゴルフコースへの旅」「Dream of Riviera」、作家・伊集院静氏との共著で「夢のゴルフコースへ」シリーズ（小学館文庫）などがある。全米ゴルフ記者協会会員、世界ゴルフ殿堂選考委員。
