旅する写心 〜Cross Road

St Andrewsに行くと
必ず立ち止まるところがある。
R&Aの前の道と
18番ホール横の細い道との交差点。
交差点と呼ぶにはあまりにも小さい。
Golf PlaceとThe Linksの角。
ここに佇むたび、
いろいろなことが走馬灯のように
頭を駆け巡る。

日本を飛び出し、
世界のトーナメントや
ゴルフコースを旅したこと。
自分の辿ってきた道に
不安を覚えたときもあった。
しかしここに佇むたびに
スッと気持ちが落ち着いた。

実はこの写真は
1989年にRoyal Troonで行われた
初めての全英オープンの帰りに
聖地に立ち寄り撮ったもの。
単なるサインボードだが
僕にとっては愛おしい存在だ。

僕の人生は今
何章目ぐらいだろう。
人生に迷ったら
またここに戻ればイイ。

宮本 卓Taku Miyamoto

1957年、和歌山県生まれ。神奈川大学を経てアサヒゴルフ写真部入社。84年に独立し、フリーのゴルフカメラマンになる。87年より海外に活動の拠点を移し、メジャー大会取材だけでも100試合を数える。世界のゴルフ場の撮影にも力を入れており、2002年からPebble Beach Golf Links、2010年よりRiviera Country Club、2013年より我孫子ゴルフ倶楽部でそれぞれライセンス・フォトグラファーを務める。また、写真集に「美しきゴルフコースへの旅」「Dream of Riviera」、作家・伊集院静氏との共著で「夢のゴルフコースへ」シリーズ(小学館文庫)などがある。全米ゴルフ記者協会会員、世界ゴルフ殿堂選考委員。

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