ウルトララグジュアリーなSUV 新型ベンテイガを試乗

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アメリカで生まれたSUVはドイツメーカーが火付け役となって世界的な流行を生み、英国のベントレーがさらに上を行くウルトララグジュアリーSUVのパイオニアとなりました。2015年11月に、注目の中でワールドプレミアされたベンテイガ。翌年夏に導入された日本では、今年6月末までに695台が登録されており、2000万円超えのSUVとしてはビッグヒットを記録しています。

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その後を追うように、ランボルギーニがウルスを、ロールスロイスがカリナンを、アストンマーティンがDBXを登場させましたが、ベンテイガは今回新型の発表でライバルのさらに一歩先を進んだと評判になっています。話題の新型ベンテイガを試乗してきました。

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乗り込む前、まず私の目を引いたのがエクステリア。ベントレーに詳しい方なら一目でわかるように、第3世代のコンチネンタルGT色を濃くしています。ヘッドライトの楕円形はより横長になり、全体的にシャープな印象に。リアコンビネーションランプも、大型のスクエアな形状が細長い楕円形になりました。リアフェンダーの張り出したワイルドなスタイリングは変わりませんが、こうした前後の意匠変更で、新しさを強く印象付けられます。

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インテリアで目に付くのは、インフォテイメントシステムやドライバーインフォメーションシステムの刷新です。2015年に進化を遂げてからさらにアップデートされており、使い勝手の良さだけでなくアイコンやイラストも新鮮です。また、アナログ時計横のエアコン吹き出し口も象徴的で、シンプルな円形はベントレーのエンブレムを連想させる羽型へと変更されています。これだけで印象はガラリとモダンになりました。

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今回の試乗は登録前の車両のため、オーバルのテストコースで行われました。街中で乗る印象と異なるかもしれませんが、とにかくいえるのは、パワーやハンドリングがかなりスポーティに仕上がっているということです。特にスタートや追い越しを想定した加速は、鋭さを感じさせ、レーシングカーのようなエキゾーストサウンドとともに、ドーンと車体を前に押し出します。テストコースで遠慮なくアクセルを踏み込めた分、それは強烈な印象でした。

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テストドライブした車両は4.0リッターV8ツインターボエンジンです。最高出力は550ps、最高速度は290km/hに達します。これまでのパターンだと、まず12気筒エンジン車がリリースされ、その後にV8が追従してきましたが、今回は逆のようです。12気筒マシンは“スピード”という名称で年内に追って登場予定となっています。今回からプラグインハイブリッドも加わるそうですからそちらも期待大ですね。

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今回のV8は、旧型とデータ上は変わりませんが、フィーリングは違う気がします。今回のテストでは新旧どちらも走らせることができたのですが、新型の方がより扱いやすく感じられました。アクセルに対するレスポンスのよさや、各ギアでの吹け上がりの滑らかさが高められた気がします。

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また、ハンドリングの面では、フロントの軽さが際立ちます。ステアリングの安定性は高く、高速域でのレーンチェンジでも正確にクルマを導きます。全長5mを優に超えるボディながら、走っている時は二回りくらい小さく感じるからさすがです。

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ドライブモードは、ベントレー推奨の“B”ポジションが今回も最適に思われましたが、“コンフォート”もかなりいい印象でした。単にソフトな乗り心地をエアサスペンションが提供してくれるだけでなく、踏めば欲しいトルクとスピードを瞬時に呼び起こしてくれます。この辺の仕上げは感動モノですね。

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新型ベンテイガの総合的なインプレッションは、各部が精緻に磨かれ、熟成域に入った印象です。ベントレーにとっては、全体の45%を占めるモデルだけに、彼らの本気を感じました。次回はロングドライブを楽しみたい。そんな気にさせてくれる一台でした。

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BENTLEY BENTAYGA
車両本体価格:21,428,000円(税込)

  • ※表示価格にはオプションは含まれておりません。
  • ※価格には保険料、税金(消費税除く)、自動車リサイクル料金、その他登録等に伴う費用等は含まれておりません。
  • ボディサイズ | 全長 5125 X 全幅 1998 X 全高 1728 mm
  • ホイールベース | 2995 mm
  • 車両重量 | 2416 Kg
  • エンジン | V型8気筒ツインターボ
  • 最高出力 | 550 ps(404 kW)/ 6000 rpm
  • 最大トルク | 700 N・m / 2000-4500 rpm
  • 0-100km/h | 4.5 秒
  • 最高速度 | 290 km/h

 

  • Text : Tatsuya Kushima

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