
時計の価格は、ここ数年で明らかに上がりすぎた。「これ以上、時計にお金をかけたくない」と感じる人が増えているのも無理はない。コロナ禍以降の時計バブルの中で、多くのスイスブランドは高価格帯へと舵を切った。その結果、市場には超高額モデルがあふれ、時計をどこか遠い存在に感じる人も増えてしまった。
いま時計は、単に時を知るための道具ではない。ライフスタイルを映し、自分のセンスを語るための存在でもある。だからこそ、無理をせず、背伸びもしない。けれど、きちんと自分らしさを表現できる一本を選びたい。
時計バブルが落ち着きを見せたいま、スイスの実力派ブランドはその感覚と向き合い始めている。手が届く価格でありながら、価格以上の満足感を備えた時計。その流れの中から生まれた一本が、オリスの新作「オリス スター エディション」だ。
この時計には、ブランドの歴史が深く関係している。かつてスイスには「スイス時計法」と呼ばれる規制があり、時計の価格や生産量、ムーブメント供給などに制限が設けられていた。オリスは自由な時計作りを求めて、法廷闘争を展開した結果、1965年に同法は撤廃された。翌1966年に誕生した製品が、本作のルーツとなるオリジナルモデルである。

今回の新作は、単なる復刻ではない。ブランドの記憶を、現代の感覚で再解釈した一本といえる。特徴的なのは、バレル型のケース形状。直径35mmという控えめなサイズも、いまのネオクラシックな気分に合っている。シルバーカラーの文字盤には、ツインバトン型のインデックスとスクエア型の針を合わせた。さらに風防には、あえて当時と同じプレキシガラスを採用。現代的に整えながらも、1960年代の空気感をしっかり残している。
過剰に主張するのではなく、さりげなくセンスを感じさせる。高額であることを価値にするのではなく、選び方そのもので価値を語る。オリス スター エディションは、そんな時代の潮流に合う3針モデルだ。 今年、ネオクラシックな時計を一本手に入れるなら、有力な選択肢になるだろう。

ORIS / オリス
オリス スター エディション Ref.733 7813 4151-07 5 17 02 価格:36万3000円(税込)
- SPEC
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- ケース径:35 mm
- ケース厚:11.1mm、ムーブメント:自動巻き(オリス キャリバー733)、パワーリザーブ:約41時間、ケース:SS(ステンレススチール)、ストラップ:レザー、防水性能:5気圧防水
お問い合わせ先
- オリスジャパン TEL : 03-6260-6876
Text : Yasuhito Shibuya








