
世界を旅する人、世界を舞台に仕事をする人にとって、手首にあるとうれしいのが「いま自分がいる場所」と「遠く離れた場所」の時刻を同時に知ることができる時計だ。
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時差表示機構には大きく2つある。ひとつは、現在地に加えてもうひとつの時刻を表示するGMT(デュアルタイム)ウォッチ。もうひとつが、24時間で1回転するディスクを用い、24のタイムゾーンを俯瞰できるワールドタイムウォッチだ。
GMTの語源は「グリニッジ標準時(Greenwich Mean Time)」。現在は協定世界時(UTC)と呼ばれる概念の原型であり、ロンドンのグリニッジ天文台を起点とする世界標準時を指す。一方ワールドタイムは、世界24都市の時刻を読み取れる機構。一般的に後者の方が“格上”とされることが多い。
だが、使いやすさという観点ではどうか。表示を2つに絞るGMTのほうが、情報は明快だ。読み取るストレスが少ない。
そこで登場したのが、ノモス グラスヒュッテの「クラブスポーツ ネオマティック ワールドタイマー」である。ドイツ時計産業の中心地、ザクセン州グラスヒュッテに拠点を置く同社が選んだ答えは、ワールドタイムの機能とGMTの視認性を両立させることだった。
ダイアル外周のリングには24都市コード。そして3時位置には、選択した都市の現在時刻を表示するサブダイヤルを配置。世界を俯瞰しながら、いま必要な時刻だけを瞬時に読むことができる。

2025年4月、スイス・ジュネーブで開催された「ウォッチズ・アンド・ワンダーズ ジュネーブ 2025」で発表され、時計のプロフェッショナルたちを唸らせた理由は、その完成度の高さにある。
この機構を駆動するのは自社製自動巻きムーブメント。ワールドタイム機構を搭載しながら厚さわずか4.8mm。現在世界最薄クラスという事実が、この時計の設計思想を雄弁に物語る。 タイムゾーンの切り替えは2時位置のプッシュボタンで行う。直感的で、迷いがない。シースルーバックからは、整然と仕上げられたムーブメントがいつでも鑑賞できる。
タイムゾーンの切り替えは2時位置のプッシュボタンで行う。直感的で、迷いがない。シースルーバックからは、整然と仕上げられたムーブメントがいつでも鑑賞できる。そして忘れてはならないのがデザインだ。ノモスが学んだと公言するバウハウスの精神。つまり装飾を削ぎ落とし、機能を美に昇華させる思想。
数字、都市略号、針。すべてが計器のように明瞭で、同時にどこか詩的でもある。サンバースト仕上げのシャンパンゴールドをベースにした限定モデル「ローム」と「レヴェリー」は、ブルー、グリーン、オレンジ、サンド、サンドイエロー、ワインレッドの差し色を効かせた“くすみカラー”が印象的だ。

2シックで、落ち着きがあり、それでいて今の空気をまとっている。インデックスと時分針にはスーパールミノバを塗布。暗所での視認性も確保されている。ストラップにはホーウィン社製シェルコードバンを採用。10気圧防水に加え、ねじ込み式リュウズのロック解除時には赤いマーカーが現れる安全設計も備える。ケース径40mm、厚さ9.9mm。数値以上に薄く、軽快だ。
世界限定各175本。この春、世界へ踏み出す人の手首にふさわしい一本である。

NOMOS GLASHÜTTE / ノモス グラスヒュッテ
クラブスポーツ ネオマティック ワールドタイマー リミテッド ローム / レヴェリー
世界限定各175本 Ref.NM790.S10 / Ref.NM790.S11 価格:各74万2500円(税込)
- SPEC
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- ケース径:40 mm
- SSケース、自動巻き、パワーリザーブ約42時間、 ストラップ:ホーウィン社製シェルコードバンストラップ、防水性能:10気圧(100m)
お問い合わせ先
- 大沢商会 TEL.03-3527-2682
Text : Yasuhito Shibuya








