ドイツの工業製品というとまず頭に浮かぶのがクルマで、その次はカメラだろう。だが、実は“隠れた時計王国”だ。16世紀に「機械式時計を開発した最初の国」のひとつであり、2000年前後から時計産業が注目されるようになった。今回は、ドイツの機械式時計の中でも、個性派の新進ブランドとして人気の、ノモス グラスヒュッテのスポーツモデル「アイホ ネオマティク38デイト」を紹介する。
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機械式時計の歴史の中でドイツは重要な国だ。ドイツ・ニュルンベルクの鍵職人だったピーター(ペーター)・ヘンラインは1504年に鉄製の懐中時計、1511年には「ニュルンベルクの卵」と呼ばれる懐中時計を完成させたことから「携帯式機械時計の発明者」として歴史に名を残している。
現在、ドイツの時計作りはバーデン・ヴュルテンベルク州とザクセン州を中心に行われている。ザクセン州の中心地が、首都ドレスデン郊外のエルツ地方にある山間の街グラスヒュッテ。ノモス グラスヒュッテは19世紀後半から時計産業が栄えたこの町に、1990年に設立された新進時計ブランドだ。グラスヒュッテ様式といわれる伝統的な時計作りのスタイルを採り入れながら、独自開発した機械式ムーブメントと、現代的で洗練されたクールなデザインで人気を得て、今ではドイツで最大級の機械式時計を生産するメーカーへと発展した。
アホイ ネオマティック38デイト スカイ&サンドはモダンでクール、デザインプロダクト好きには見逃せないスポーツウォッチ。バウハウスからミッドセンチュリー系のミニマムなデザインが好きな人、1950年代の復刻モデルに象徴される“クラシックテイストの機械式時計”に飽きてしまった人にぜひおすすめしたい。
ケースサイズは時計業界の最新トレンドである“小さめ”の直径38.5㎜。特許を取得したデイト表示付きの自動巻きムーブメント「キャリバーDUW6101」を搭載しながら、厚さはドレスウォッチと変わらない9.9㎜を実現した。まるで薄型のクォーツ時計のようにスリムなので、着け心地はとても軽快だ。
ケース裏はシースルーで、同社自慢のメカニズムをいつでも目で楽しむことができる。その上、ねじ込み式リュウズの採用などスポーツシーンでも安心して使える20気圧防水という高い防水性も見逃せない魅力となっている。
また、両面無反射コーティングを施すことで、いつでも鮮明に情報が読み取れる。文字盤のカラーバリエーションは、落ち着いた青空を思わせるスカイブルーと、小麦畑を彷彿させる黄金色のサンドカラーの2種類。文字盤の色にフィットするストラップも、フランスの専門メーカーにオーダーした味わい深いテキスタイル製。ファッションアイテムとしての魅力も申し分ない。
自社製ムーブメントの搭載や、クラシックなスタイル以上に繊細な文字盤のディテールなど、これだけ充実した仕様で60万円代前半という価格は驚き。年齢、性別を問わずあらゆる人にぜひ楽しんでほしい。
NOMOS GLASHÜTTE / ノモス グラスヒュッテ
アホイ ネオマティック38デイト スカイ(NM526) 同 サンド(NM527) 62.7万円(税込)
- SPEC
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- ケース径:38.5 mm
- 自動巻き、SSケース、耐水性ナイロンストラップ、20気圧防水
お問い合わせ先
- 大沢商会 時計部 TEL:03-3527-2682
Text : Yasuhito Shibuya