ラグスポウォッチの名作 ボーム&メルシエ「リビエラ」

オンオフを問わずに着けられるラグジュアリースポーツウォッチ(ラグスポウォッチ)が注目を集めている。その起源は今から半世紀前の1970年代にルーツを持つことをご存知だろうか。今回はラグスポウォッチの中からボーム&メルシエ「リビエラ」の最新モデルを紹介する。

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ボーム&メルシエは「スイス時計のゆりかご」といわれるスイス・ジュラ山脈のレ・ボワという街で、ルイ・ヴィクトルとセレスタンのボーム兄弟が1830年に創業した時計販売店がルーツ。懐中時計で国際的名声を得て、精度コンクールでも数々の栄光を手にしたのち、1918年にジュネーブに移転して現在の社名へと変更した。現在ジュネーブにある時計ブランドの中では長い歴史を誇る。

1973年の初代モデルとそのスケッチ

リビエラは1973年に薄型スポーツウォッチとして発売された。リビエラとはイタリア語で「海岸線」を意味する。具体的にはイタリア北西部のラ・スペツィアからジェノバを経て、北西のフランスに至り、ニース、カンヌ、サン・トロペ、トゥーロンに至るリグリア海に面した海岸やその一部を指す。欧米人にとってはすぐに地中海リゾートをイメージできる言葉であり、リゾートで着ける腕時計にはぴったりの名前だ。

ボーマティックムーブメント「キャリバー BM13」

2023年の春、ジュネーブで開催された高級時計見本市「ウォッチズ・アンド・ワンダーズ ジュネーブ 2023」で発表された最新モデル(第5世代)は、トレンドサイズの直径39ミリ、地中海の海の色を彷彿させるサファイアクリスタル製のシースルーの文字盤に、最新の自動巻きムーブメント「BM13」が搭載された。

「ウォッチズ・アンド・ワンダーズ」のボーム&メルシエブースには、&リビエラ50周年を記念して巨大なビス付きベゼルのオブジェが。©Yasuhito Shibuya 2023

初代から最新作に共通する特長は、ラグスポ定番の8角形ではなく12角形ケースを採用していることだ。12角形は12時間制表示を採用している時計に実はぴったりのカタチ。第5世代からは12角形のベゼルに4本のビス(一部のレディスモデルではダイヤモンドがセットされる)が追加され、よりスポーティなイメージが強まった。

2017年に開発されたBM13は約5日間(約120時間)のロングリザーブで、日差(1日=24時間の精度誤差)はマイナス4秒からプラス6秒というCOSC認定クロノメーター級の高精度。ムーブメントの心臓部である脱進調速機にはシリコンと非強磁性の素材を採用し、従来比25倍の耐磁性を誇る。スマートフォンやタブレットの影響など、磁気が原因での故障の可能性は低くなる。

ストラップには、ユーザーが自分の手で簡単に交換できるインターチェンジャブルシステムを採用。オプションのストラップやブレスレットで、さまざまな表情を楽しめる。

これだけのストーリーと、優れた機能を備えながら50万円台前半という価格には驚きしかない。ラグスポウォッチの購入を考えるなら、選択肢に加えたい一本だ。

BAUME & MERICIER / ボーム&メルシエ
リビエラ (Ref.10714) 51万7000円(税込)

SPEC
  • ケース径:39㎜
  • 自動巻き、SSケース、アリゲーター&ラバーストラップ、100m防水

お問い合わせ先

  • 0120-98-8000(フリーダイヤル)

Text : Yasuhito Shibuya

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