日本が誇る伝統美を腕に クレドール「螺鈿ダイヤルモデル」

日本には世界を魅了するさまざまな伝統工芸があり、漆芸(しつげい)がそのひとつだ。なかでも老若男女を問わず魅了する螺鈿(らでん)細工は、神秘的で美しい輝きがある。今回はこの漆芸を文字盤に使ったクレドール(セイコー)の超薄型ウォッチ「螺鈿ダイヤルモデル」を紹介する。

夜光貝や鮑(あわび)など貝殻の内側に形成される真珠層は、微細な表面構造により光の当たり方で虹色の輝きを放つ。螺鈿はその真珠層を薄く切り取って、漆の中に散りばめる加飾技法をいう。「螺」とは「螺旋状の貝殻」を指し、「鈿」は「飾り」を意味する。

奈良時代に中国の唐から伝来し、独自の発展を遂げたこの技法は、時代を超越した美しさで世界を魅了し、重要無形文化財にも認定された。ところが、数百年も受け継がれているものの、残念ながらその魅力は現代の人々にはあまり知られていない。

クレドールは1974年に貴金属を素材にし「日本発の高級時計」として誕生した。「アートピースコレクション」には、この螺鈿細工のアワーマーカーと、夜空にきらめく星々の姿を文字盤に描いた定番モデルがある。

6時位置のスモールセコンド部分が螺鈿。シャープなアワーマーカー(棒略字)は高蒔絵(たかまきえ)と呼ばれ伝統の漆蒔絵の技法を採用し、どちらも眺める角度によって繊細な色の変化と輝きが楽しめる

魅力は螺鈿細工の文字盤だけではない。時、分、秒を表示する3つの針を駆動するムーブメントも特別な逸品だ。1/100㎜単位という繊細な調整作業は、岩手県の盛岡セイコー工業にある「雫石高級時計工房」の熟練の時計職人だけが行えるもので、日本の機械式時計技術を象徴する「キャリバー6898」を採用している。

セイコーの薄型機械式ムーブメント「キャリバー6822」を搭載。盛岡セイコー社内でもわずか数名しか組み立てることができない繊細さという

ケース厚はわずか6.5㎜とクレドールの中では最高峰クラスの薄型設計で、着けていることを忘れるほどの軽快な着け心地だ。落ち着いた大人にふさわしい時計をお探しの方、あるいは人生を彩る特別なドレスウォッチが欲しいという方にぜひおすすめしたい。

CREDOR(SEIKO WATCH) / クレドール(セイコーウオッチ)

アートピースコレクション 螺鈿ダイヤルモデル GCBE993 93万5000円

SPEC
  • ケース径:37㎜、ケース厚:6.5㎜
  • 手巻き、SSケース、クロコダイルストラップ、シースルーバック、耐磁、日常生活用防水(3気圧)

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Text : Yasuhito Shibuya

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