BRUDER

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旅する写心 〜Orpheus in the Underworld

今週1年延期になっていた
ライダーカップが開催される。
場所はあのウィスリングストレイツ。
何度かメジャーの舞台になった
それはそれは恐ろしいコースだ。

私が初めて行ったライダーカップは
1991年のキアワアイランド。
ピート・ダイのコースで初開催の大会は
予想通り壮絶な戦いとなった。
ピート・ダイ特有の
これでもかというくらい
プレーヤーの心理を追い込む設計。
TPCソーグラスができ、キアワができ、
人がさらに刺激を求めてでき上がったのが
ウィスリングストレイツなのだ。

どのホールもティイングエリアに立つと
身の毛がよだつような風景が広がる。
それに加えてミシガン湖から吹く風が
縮む気持ちを容赦なく逆なでする。
これまでライダーカップは
どこで決着がつくか分からないので
マッチプレー向きのコースを選んできた。
しかしテレビの視聴者は関係ない。
選手が追い詰められた先の
信じられないようなプレーを
期待するのだ。

カメラマンの立場から言うと
18番からどうやって15番や16番に戻るのだろう。
間違いなくカメラマンも
今まで経験したことのないような
壮絶な戦いが待っている。

Whistling Straits
ウィスリングストレイツ

宮本 卓Taku Miyamoto

1957年、和歌山県生まれ。神奈川大学を経てアサヒゴルフ写真部入社。84年に独立し、フリーのゴルフカメラマンになる。87年より海外に活動の拠点を移し、メジャー大会取材だけでも100試合を数える。世界のゴルフ場の撮影にも力を入れており、2002年からPebble Beach Golf Links、2010年よりRiviera Country Club、2013年より我孫子ゴルフ倶楽部でそれぞれライセンス・フォトグラファーを務める。また、写真集に「美しきゴルフコースへの旅」「Dream of Riviera」、作家・伊集院静氏との共著で「夢のゴルフコースへ」シリーズ(小学館文庫)などがある。全米ゴルフ記者協会会員、世界ゴルフ殿堂選考委員。

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