科学技術の発達は
今まで不可能だったものを
可能にする凄い力がある。
欧米ではこの時期
当たり前のように
目に鮮やかな緑のフェアウェイで
ゴルフを楽しむことができる。
秋口にオーバーシードすることによって
緑鮮やかなところでゴルフができるのだから
ゴルファーにとっては堪らない。
しかし実際は芝は枯れるものである。
ずっと緑でなければいけないのか。
日本のゴルフ場の四季を撮るようになって
よく聞かれる質問がある。
いつが一番綺麗ですかと。
確かに咲き誇る花の時期は素晴らしいし
真っ赤に染まる紅葉にも感動する。
しかし最近とみに
冬の枯芝のコースが
綺麗に思えて仕方がない。
エバーグリーンは羨ましいが
自然のままの姿に
愛おしさを感じてしまう。
今の時代は頑張りすぎるよりも
力を抜くぐらいがちょうど良い。
花もない紅葉もない
今の姿に忘れていたものを
思い出すきっかけが潜んでいる。
移ろいゆく時を愉しむ良い季節です。
鳴尾ゴルフ倶楽部
宮本 卓Taku Miyamoto
1957年、和歌山県生まれ。神奈川大学を経てアサヒゴルフ写真部入社。84年に独立し、フリーのゴルフカメラマンになる。87年より海外に活動の拠点を移し、メジャー大会取材だけでも100試合を数える。世界のゴルフ場の撮影にも力を入れており、2002年からPebble Beach Golf Links、2010年よりRiviera Country Club、2013年より我孫子ゴルフ倶楽部でそれぞれライセンス・フォトグラファーを務める。また、写真集に「美しきゴルフコースへの旅」「Dream of Riviera」、作家・伊集院静氏との共著で「夢のゴルフコースへ」シリーズ(小学館文庫)などがある。全米ゴルフ記者協会会員、世界ゴルフ殿堂選考委員。