谷口徹が偉業を成し遂げた。
50歳でメジャー優勝。
これは公式試合の最年長優勝記録。
このオトコただ者ではない。
谷口とよく話をするようになったのは
メジャー大会で度々出くわすようになってからである。
彼は意外にもメジャーの出場回数は多い。
それも半端な数ではない。
マスターズ3回、全米オープン10回、全英オープン9回、全米プロ7回。
出たくても簡単には出ることができない4大メジャー。
このほとんどは予選落ちという結果だが
決してあきらめない。
「僕の球では無理ですワ」と
ロープ際の私に声をかける。
そんな谷口との会話は、隣県同士の訛りで
周りをヒヤヒヤさせるジャブの応酬になる。
しかし彼のメラメラと燃える闘志を知っている。
今回の偉業は日頃の努力と、
若手を周りに集めて
いつまでも負けたくないという
気持ちを絶やさない
自分への栄養ドリンクだ。
きっと谷口ならもっと驚くような記録を作るかもしれない。
彼はただ者ではないから。
宮本 卓Taku Miyamoto
1957年、和歌山県生まれ。神奈川大学を経てアサヒゴルフ写真部入社。84年に独立し、フリーのゴルフカメラマンになる。87年より海外に活動の拠点を移し、メジャー大会取材だけでも100試合を数える。世界のゴルフ場の撮影にも力を入れており、2002年からPebble Beach Golf Links、2010年よりRiviera Country Club、2013年より我孫子ゴルフ倶楽部でそれぞれライセンス・フォトグラファーを務める。また、写真集に「美しきゴルフコースへの旅」「Dream of Riviera」、作家・伊集院静氏との共著で「夢のゴルフコースへ」シリーズ(小学館文庫)などがある。全米ゴルフ記者協会会員、世界ゴルフ殿堂選考委員。