47歳の社会人選手に
「アジアパシフィックアマチュア選手権」
への招待状が届いた。
太平洋クラブ御殿場で開催の2024年大会、
日本代表10人目として選ばれたのだ。
「まさか自分に!」
信じられず、英語の文面を
何度も何度も読み返した。
中央学院時代は全くの無名選手だった。
同期には星野英正、近藤智弘、矢野東ら
きら星のプレーヤーたちだ。
卒業後、ゴルフショップ店員を務めながら
コツコツと腕を磨いた。
2008年、31歳で「関東ミッドアマ」で初優勝。
これまで同大会を4連覇(継続中)し7勝、
「日本ミッドアマ」を3連覇(継続中)し
5勝を挙げた。
誰もなしえなかった記録を邁進中だ。
コースの距離は伸び、
ミッドアマの参加資格は25歳まで下がった。
豊島豊にとって状況はどんどん厳しくなるが、
現在は無敵の状態だ。
R&Aとオーガスタも彼の戦績を調べたに違いない。
粋な計らいは、さすがだ。
学生たちに混じり、47歳が世界の強豪たちと戦う。
まさにこれがゴルフの最大の魅力なのだ。
宮本 卓Taku Miyamoto
1957年、和歌山県生まれ。神奈川大学を経てアサヒゴルフ写真部入社。84年に独立し、フリーのゴルフカメラマンになる。87年より海外に活動の拠点を移し、メジャー大会取材だけでも100試合を数える。世界のゴルフ場の撮影にも力を入れており、2002年からPebble Beach Golf Links、2010年よりRiviera Country Clubほか、国内数々のオフィシャルフォトグラファーを務める。また、写真集に「美しきゴルフコースへの旅」「Dream of Riviera」、作家・伊集院静氏との共著で「夢のゴルフコースへ」シリーズ(小学館文庫)などがある。全米ゴルフ記者協会会員、世界ゴルフ殿堂選考委員。