旅する写心~A Natural Woman

1996年、USGAで初めて
女性の会長となったのがジュディ・ベルだ。
彼女の功績を讃え、
長年ホームコースとしていた
パイン・ニードルで
その年初めて全米女子オープンが開催された。
優勝したのはアニカ・ソレンスタムだった。

それ以来、パイン・ニードルは
女子大会の“聖地”として扱われた。
2007年、3度目のメジャー会場となった
パイン・ニードルで、大きな話題となったのが
当時12歳4カ月で予選会を突破し、
最年少出場を果たした
レキシー・トンプソンだ。
以来、18年連続で出場を果たし、
今年限りで引退することを発表した。

アニカ・ソレンスタムやカリー・ウェブ、
ロレーナ・オチョアが活躍したLPGAでは、
自国代表のポーラ・クリーマーと
レキシーは圧倒的人気があった。
今回の発表を聞き、古い写真を探し始めると
練習日に撮った数枚の写真が出てきた。
12歳とは思えない堂々としたプレーの記憶が
蘇ってきた。

今年の舞台ランカスターCCは
僕にとっては29回目で、
最後の全米女子オープン。
始まりがあれば、いつか終わりを迎えるもの。
レキシーも別れを惜しみつつ、
これからの人生を前向きに語った。

宮本 卓Taku Miyamoto

1957年、和歌山県生まれ。神奈川大学を経てアサヒゴルフ写真部入社。84年に独立し、フリーのゴルフカメラマンになる。87年より海外に活動の拠点を移し、メジャー大会取材だけでも100試合を数える。世界のゴルフ場の撮影にも力を入れており、2002年からPebble Beach Golf Links、2010年よりRiviera Country Clubほか、国内数々のオフィシャルフォトグラファーを務める。また、写真集に「美しきゴルフコースへの旅」「Dream of Riviera」、作家・伊集院静氏との共著で「夢のゴルフコースへ」シリーズ(小学館文庫)などがある。全米ゴルフ記者協会会員、世界ゴルフ殿堂選考委員。

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