マスターズの入場者数は公表されないが、
毎年来ている人たちから、
「間違いなく今年は過去一番多かったよね」
という声をよく聞く。
大会前週の女子アマチュア、
日曜日のジュニアの大会も含め
連日、今までにない人の数だった。
当然お土産売り場の混雑も半端じゃない。
一人あたり、いくら使うか分からないが、
ほとんどの人たちは両手いっぱいに袋を持って
会場を後にする。
一度観戦したらもう十分ではなく、
また来てみたいと思わせる、
リピーター心くすぐるマスターズの戦略が
随所に散りばめられている。
朝6時頃から人が集まりだし、
8時のゲートオープンと同時に
観戦用の椅子を持って、
早足で(会場で走る行為は厳禁)
思い思いのホールに向かう。
こういう演出もなんだかゲームのような感覚で
楽しく感じてしまうから不思議だ。
いつかマスターズの撮影が終わったとしても
今度はパトロンとして
ビールを飲みながら
観戦を楽しみたいと思っている。
宮本 卓Taku Miyamoto
1957年、和歌山県生まれ。神奈川大学を経てアサヒゴルフ写真部入社。84年に独立し、フリーのゴルフカメラマンになる。87年より海外に活動の拠点を移し、メジャー大会取材だけでも100試合を数える。世界のゴルフ場の撮影にも力を入れており、2002年からPebble Beach Golf Links、2010年よりRiviera Country Clubほか、国内数々のオフィシャルフォトグラファーを務める。また、写真集に「美しきゴルフコースへの旅」「Dream of Riviera」、作家・伊集院静氏との共著で「夢のゴルフコースへ」シリーズ(小学館文庫)などがある。全米ゴルフ記者協会会員、世界ゴルフ殿堂選考委員。