リッキー・ファウラーが4年半ぶりに
PGAツアーで優勝した。
今年の全米オープンでも優勝争いに加わり
近いうちに復活するだろうと思ってはいたが、
こんなに早く勝つとは。
世界ランキングでは一時185位まで落ち、
メジャー出場も叶わぬほどだった。
初めて撮影したのは
彼がデビューまもない2010年のペブルビーチ。
前年秋にプロ転向し、
まだ初々しい姿のリッキーがそこにいた。
腕のタトゥーに刻まれている「田中豊」は
日系人祖父の名。
彼にゴルフを教わったのが
ゴルフを始めるきっかけだった。
その日も豊さんはロープの側を歩きながら、
孫のプレーを見つめていた。
そしてもう一人。
日本から多くのメディアを引き連れ
プレーしていたのが石川遼だ。
前週にPGAツアーデビューを果たし
ペブルビーチが2戦目。
その二人が同じ組で3日間、
スパイグラス、ペニンシュラ、
そしてペブルビーチをプレーした。
同じような境遇に親近感を持ったのか
ラウンド中も二人はずっとおしゃべりを楽しんだ。
僕も随分このコースには通ったが
この日のペブルビーチは
もっとも波の高い1日だった。
あれから13年か、、、
二人のゴルフ人生は
あの時見た波のような激しさだった。
きっと遼もリッキーの復活優勝に
大いに刺激を受けたにちがいない。
まだまだ二人のゴルフは
我々を楽しませてくれるだろう。
宮本 卓Taku Miyamoto
1957年、和歌山県生まれ。神奈川大学を経てアサヒゴルフ写真部入社。84年に独立し、フリーのゴルフカメラマンになる。87年より海外に活動の拠点を移し、メジャー大会取材だけでも100試合を数える。世界のゴルフ場の撮影にも力を入れており、2002年からPebble Beach Golf Links、2010年よりRiviera Country Clubほか、国内数々のオフィシャルフォトグラファーを務める。また、写真集に「美しきゴルフコースへの旅」「Dream of Riviera」、作家・伊集院静氏との共著で「夢のゴルフコースへ」シリーズ(小学館文庫)などがある。全米ゴルフ記者協会会員、世界ゴルフ殿堂選考委員。