旅する写心~I’ll Be Seeing You

長年、女子の最初の世界メジャーとして
親しまれてきた「ナビスコ・ダイナショア」は
ミッションヒルズで行われてきた。
(「ANAインスピレーション」、昨年から「シェブロン選手権」に大会名を変更している)
今年からはテキサス・ウッドランドに場所を移して始まる。

優勝者が18番ホール脇の池に飛び込むのが恒例となっていた。
僕が初めて行った1988年、
エイミー・オルコットが2度目の優勝を果たすと
突然走り出し、池に飛び込んだ。
予想だにしない出来事に随分慌てた思い出がある。

あれ以来このトーナメントが好きになり
マスターズ前は必ずこの試合に出かけたものだ。
数えてみれば、25年連続。
パームスプリングスの砂漠地帯が
なんとも言えない古き良き時代の
カリフォルニアのリゾート地で
ここでの時間が一番リラックスできた。

アニカ・ソレンスタムもこの試合との相性が良く
3度の優勝を果たしている。
歴代のチャンピオンを見ると
LPGAの歴史を作ってきた
錚々たるメンバーばかりだった。

そして今年、
会場が変わると聞いて寂しさを感じているのは
僕だけではないだろう。

宮本 卓Taku Miyamoto

1957年、和歌山県生まれ。神奈川大学を経てアサヒゴルフ写真部入社。84年に独立し、フリーのゴルフカメラマンになる。87年より海外に活動の拠点を移し、メジャー大会取材だけでも100試合を数える。世界のゴルフ場の撮影にも力を入れており、2002年からPebble Beach Golf Links、2010年よりRiviera Country Clubほか、国内数々のオフィシャルフォトグラファーを務める。また、写真集に「美しきゴルフコースへの旅」「Dream of Riviera」、作家・伊集院静氏との共著で「夢のゴルフコースへ」シリーズ(小学館文庫)などがある。全米ゴルフ記者協会会員、世界ゴルフ殿堂選考委員。

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