旅する写心~Never Ending Story

オーガスタ・ナショナルGCのコース改造は
コースの歴史と言われるほど幾度となく行なわれてきた。
その中でもいちばんと言われているのが
1934年のマスターズ翌年に
アウトコースとインコースを入れ替えたことだ。

現在の12番ホールの前を流れるレイズ・クリークの影響で
低い位置にある現在のバックナインは、朝方に霧が発生しやすく
スタートホールとしては問題が多かった。

アウトとインを入れ替えたことにより、大きな副産物も生まれた。
それはマスターズの試合の流れを変えるアーメンコーナーの誕生だ。
この3ホールが試合の前半にあるのと
後半にあるのとでは大きな違いがある。

そして今年、13番のティグラウンドを大きく後ろに下げた。
これまでの改造の中でも歴史に残るであろう。
マスターズにとっての名物ホールの13番は
プレーヤーもギャラリーも
“リスクと報酬”にスリルを味わい、一喜一憂するホール。
今回の改造がどのような試合展開を呼ぶか、
まもなく始まるマスターズから目が離せない。

宮本 卓Taku Miyamoto

1957年、和歌山県生まれ。神奈川大学を経てアサヒゴルフ写真部入社。84年に独立し、フリーのゴルフカメラマンになる。87年より海外に活動の拠点を移し、メジャー大会取材だけでも100試合を数える。世界のゴルフ場の撮影にも力を入れており、2002年からPebble Beach Golf Links、2010年よりRiviera Country Clubほか、国内数々のオフィシャルフォトグラファーを務める。また、写真集に「美しきゴルフコースへの旅」「Dream of Riviera」、作家・伊集院静氏との共著で「夢のゴルフコースへ」シリーズ(小学館文庫)などがある。全米ゴルフ記者協会会員、世界ゴルフ殿堂選考委員。

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