スマートウォッチが普及する一方でライフスタイルやステイタスを表現するアイテムとして、機械式時計への関心が若い世代の間で高まっている。その人気を受け、時計王国スイスでは次々と新ブランドが登場するが、その多くは富裕層をターゲットにした少量生産の高額モデルに集中した「マイクロメゾン」と呼ばれる小規模メーカーだ。
そんな中、機械式時計の魅力を「より身近な価格で、より多くの人に届けたい」という志を掲げた新進ブランドがノルケインである。
ノルケインの社長であるベン・カッファー(兄)と、副社長を務めるトビアス・カッファー(弟)は、時計製造を営む家庭に生まれ、父の時計づくりに影響を受けながら育った。彼らは伝説的な経営者ジャン‐クロード・ビバーの支持を得て、発足以来、価格を超えた内容の機械式スポーツウォッチを次々にリリースしてきた。
そして2024年の秋、彼らはまたひとつ、ブランドをステップアップさせた。ムーブメント専門メーカーのマニュファクチュールAMTとのパートナーシップにより、オリジナルの機械式クロノグラフ・ムーブメント「NORQAIN 8K マニュファクチュール・キャリバー(NK24/1)」を新開発し、これを搭載した新モデル「インディペンデンス スケルトン クロノ 42mm」を発表。フライバック機構を搭載し、クロノグラフ計測中にリセットボタンを押すことで、瞬時に新しい計測が可能となる。さらに、COSC(スイスクロノメーター検定協会)の精度テストに合格したクロノメーターであり、パワーリザーブは約62時間に達する。
「8K」の名は、8000m級の山々に挑む登山家を意識したものであり、その機能と精度への自信を表している。世界最高峰の山々をモチーフにしたデザインの自動巻きローターやブリッジは、ケースバックと文字盤側からも楽しめるスケルトン仕様となっている。
モデルバリエーションは、DLC加工が施されたチタンケース&ラバーストラップモデル(世界300本限定)、SSケース&ブレスレットモデル、SSケース&ラバーストラップモデルの3種類を展開。さらに、ケース左側には、メッセージを刻印できるノルケインプレートが装備されている。
これだけの内容で120万円前後という価格設定は驚異的。もしスポーツクロノグラフを探しているなら、一見の価値がある。
NORQAIN / ノルケイン
インディペンデンス スケルトン クロノ 42mm ラバーストラップ/スティール:107万8000円、ステンレススティール・ブレスレット/スティール:112万2000円、ラバーストラップ/チタニウムDLC:123万2000円(税込)
- SPEC
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- ケース径:42 ㎜
- 自動巻き、DLC加工チタンケース&ラバーストラップ(限定モデル)、またはSSケース&ブレスレット、SSケース&ラバーストラップ、防水性能:100m
お問い合わせ先
Text : Yasuhito Shibuya