16年越しの因縁のザ・プレジデンツカップに完全決着!最後に笑うのはどっち!?

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Photo by Chris Condon/PGA TOUR/Getty Images

タイガー・ウッズとアーニー・エルスがプレーオフで不完全燃焼に終わってから16年。2人が世界のトッププロ12名ずつを牽引し、引き分けとなったその時の完全決着をつける。今年のプレジデンツカップは、チームや国の威信だけではなく、両キャプテンのプライドが掛かるガチバトルだ。

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Photo by Gary Lisbon

2年に一度の米国選抜と世界選抜(欧州以外)の対抗戦、プレジデンツカップが現地時間12月9日から12月15日まで開催される。今大会の開催コースに選ばれたのは、オーストラリアのメルボルンにあるロイヤルメルボルン・ゴルフクラブ。前回ここで本大会が行われたのは2011年で、これが3度目の舞台となる。

ゴルフの国別対抗戦と言えば、米国選抜と欧州選抜が激突するライダーカップを思い浮かべるだろう。1927年が初開催と古い歴史を誇り、欧米でのその盛り上がりはメジャー以上といっても過言ではないビッグイベントだ。

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一方、このプレジデンツカップがスタートしたのは25年前の1994年。欧米以外のゴルファーにとって熱狂的な盛り上がりを見せるライダーカップは蚊帳の外だったが、その頃からオーストラリアや南アフリカ、日本を中心としたアジア勢が世界の舞台で活躍。

中でもオーストラリアのグレッグ・ノーマンは、当時世界ランクトップを争うプレーヤーとして君臨していた。すると、そのノーマンがライダーカップ同様のチーム対抗戦を提唱。これがきっかけとなりプレジデンツカップが誕生した。

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Photo by Gary Lisbon

1994年の第1回大会以降は、ライダーカップが行われない年に実施され今回が13回目の開催。ヨーロッパ以外の各選手の中には、このプレジデンツカップに出ることが目標と公言する者もおり、今では名実共にライダーカップに並ぶ対抗戦に成長したと言えるだろう。

ところが両チームの戦績は、近年のライダーカップほど拮抗していない。過去の対戦成績は米国の11勝1敗1分。一昨年の大会でも米国が19ポイント対11ポイントと圧勝しており、世界選抜としては「地元開催」となる今年こそ過去の雪辱を果たしたいはずだ。

そして、プレジデンツカップは大会のフォーマットも独特だ。ライダーカップは3日間開催だが、この対抗戦は4日間の長丁場。初日にフォアサム5試合、2日目にフォアボールが5試合を消化する、3日目はフォアサムとフォアボールを4試合ずつ実施。そして最終日にシングルス戦を12マッチを行う。各マッチに勝つと1ポイントを獲得できるので合計は30ポイント。18ホール終了後に引き分けの場合は両チームに0.5ポイントが与えられ、最終的に15ポイント対15ポイントとなった時は大会が引き分けとなる。

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Photo by Chris Condon/PGA TOUR/Getty Images

両選抜のメンバーに目を向けると、それぞれキャプテンがおり、今大会は米国選抜がタイガー・ウッズ、世界選抜はアーニー・エルスが務める。両チームともに12名のメンバーで構成し、その内の8名はチームごとに設定されたランキングの上位者(※)が自動選出され、残り4名はそれぞれのキャプテンが選抜する。

すでにランキングによる選抜選手は決定しており、米国選抜はブルックス・ケプカ、ジャスティン・トーマス、ダスティン・ジョンソン、パトリック・キャントレー、ザンダー・ショフレ、ウェブ・シンプソン、マット・クーチャー、ブライソン・デシャンボーがメンバー入り。世界選抜は、マーク・リーシュマン(オーストラリア)、松山英樹、ルイ・ウーストヘイゼン(南アフリカ)、アダム・スコット(オーストラリア)、エイブラハム・アンサー(メキシコ)、リ・ハオトン(中国)、C.T.Pan(台湾)、キャメロン・スミス(オーストラリア)が名を連ねた。

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  • Photo by Michael Dodge/Getty Images

興味深いのはキャプテン推薦だ。世界選抜は世界選抜ポイントリスト14位に今平周吾がおり、エルスがピックするか気になるところ。そして米国選抜ではキャプテンのウッズが、自らを選抜するのか注目を集めている。

特にこれまでのキャプテン推薦は2名ずつだったが、今大会はメンバーの3分の1に当たる4名となっており、それだけウッズとエルスの「眼力」が勝負を左右しそうだ。

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ちなみにウッズのプレジデンツカップ米国ランキングは、現在13位と順位的には「圏外」。過去プレーした8大会の通算成績は24勝15敗1分で、その内シングルマッチでは6勝2敗と流石の勝負強さを見せているが、果たして「俺が出る」という決断を下すのだろうか。

プレジデンツカップは、日本勢も活躍していることで近年こそ日本のゴルフファンにも馴染みが出てきた。しかし、ライダーカップがある欧米では、こうした対抗戦はメジャーを凌ぐほどの関心を集め、コースはさながらサッカー場のような興奮と熱狂に包まれる。

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ゴルフというスポーツの特性上、選手が国や地域、大陸を代表することは稀だが、この対抗戦だけは別物だ。普段は高額の賞金を目指してプレーするが、ここでは報酬は一切なし。

普段はスポンサーのロゴをつけたウェアやキャディバッグなどでプレーするトッププロが、チームでお揃いのウェアを身につけ、ソフトグッズも全てチームのデザインで統一。

普段は個人競技のストローク戦でファンを楽しませている彼らがチーム一丸となって戦う姿が、ギャラリーの心を熱くさせている。

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そして対抗戦だからこそなのか、ホーム、アウェイがないゴルフにも関わらず、プレジデンツカップではこれが明確に存在する。米国開催なら「USA!USA!」の大合唱。応援しているチームがバーディを取れば地鳴りのような歓声になるが、これが逆なら、さすがにブーイングはないがお付き合い程度の拍手。我々の知っているゴルフではないゴルフが、そこにはあるというわけだ。

今回は世界選抜が「ホーム」となるオーストラリア、メルボルンが舞台。つまり、世界選抜はギャラリーの大歓声を背にプレーできる一方、米国選抜は完全アウェイの中での戦いを強いられることになる。さらに過去の因縁が、このホーム&アウェイ感にさらなる拍車をかけそうなのだ。

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話は2003年に遡る。この時は、世界選抜の「ホーム」である南アフリカ、ジョージのファンコートホテル&CCで行われたが、マッチは最終日のシングルスが終わってタイとなり、両チームの代表者によるプレーオフに勝負の行方が委ねられた。この代表者というのが、今回キャプテンを務めるウッズとエルス。しかしプレーオフは3ホールが終わっても決着がつかず、結局、大会は日没サスペンデッドとなり引き分けとなった。

つまり、今年のプレジデンツカップは両キャプテンにとって16年前の決着をつける場でもあるということ。しかも世界選抜は、この年を挟んで7連敗中で、1998年に挙げた唯一の勝利はロイヤルメルボルン・ゴルフクラブが開催コースだった。今年の大会は、こうした全てのバックグラウンドが絡み合い、プレジデンツカップ史上に残る盛り上がりとなるだろう。

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Photo by David Cannon/Getty Images

そして私たち日本のファンにとっては、現時点で唯一の日本勢となる松山のプレーが気になるところだ。松山は、2013年から3連続出場を果たしているが通算成績は4勝6敗3分と今一つの戦績。シングルスでは2勝1敗としているが、ペアマッチでは負け越している。今回は世界選抜のランク上ではリーシュマンに次ぐ2番手。出場回数も4度目で、選抜された8人中4人が初出場という中ではチームを引っ張る存在でもある。

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オージーギャラリーのサポートを受ける松山が、普段一緒にプレーするPGAツアーの主軸を相手にどんな戦いを見せてくれるのか。

日本勢としては、1998年にメンバー入りした丸山茂樹が5戦全勝でチームの勝利に貢献しMVPにも輝いた歴史もあるが、松山にもそれに匹敵する活躍を期待したいところ。世界選抜の連敗ストッパーとして大会の主役になってもらいたい。

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Photo by Mike Wolfe

※米国選抜チーム = 2017年9月11日から2019年BMWチャンピオンシップの間に、最も多くのFedExCupポイントを獲得した上位8名のPGAツアーメンバー(2017年BMWチャンピオンシップから2018年のツアーチャンピオンシップまでは1FedExCupポイントは1ポイントで換算。2018-19シーズンの最初の大会から2019年BMWチャンピオンシップまでは1FedExCupポイントは2ポイントで換算)。

※世界選抜チーム = 2018年8月27日から2019年8月25日までの世界ランキング獲得ポイントによるプレジデンツカップ世界選抜ポイントリストの上位8名のライダーカップ欧州選抜対象選手以外のプレーヤー。

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Quizクイズ

Q
ザ・プレジデンツカップは、ライダーカップの開催されない年に行われるゴルフの大陸別対抗戦です。今年はオーストラリアのロイヤルメルボルンゴルフクラブ開催されますが、開催期間はいつでしょうか。
A
:12/2(月)~12/8(日)
:12/9(月)~12/15(日)
:12/16(月)~12/22(日)

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