
ゴルフにはラウンド後にお酒を片手に仲間と語らう「19番ホール」と呼ばれる習慣があります。アルコールとの付き合いはゴルファーでなくとも大人の嗜みのひとつでしょう。連載は今回からテキーラにフォーカス。東京・六本木のバー「AGAVE(アガヴェ)」から、様々なボトルと飲み方を紹介していただきます。
テキーラ「アガバレス」(Agavales)
そもそもテキーラって、どんなお酒でしょうか。“罰ゲーム”で勢いよく喉に流し込むアルコール度数の高い飲み物…? いやいや、確かに少量を一気に口に含むのも、嗜み方のひとつではありますが、魅力はそれにとどまりません。
テキーラの原料はサボテンとは違う、メキシコに生育するアガベという多肉植物。大きく広がる葉と、中心部の球茎の部分(ピニャ)の皮をそぎ落として使います。必要に応じてカットし、加熱してから潰して絞り出したジュースを発酵。その後、通常2回蒸溜させたものを取り出すというのが製造工程になります。
蒸溜後のお酒にほぼ手を加えずに瓶詰した透明なタイプが「ブランコ」(スペイン語で白)。樽で2カ月以上熟成させたものが「レポサド」(同じく、じっくり休ませたの意)。1年以上になると「アニェホ」(同じく、古い。または熟成されたの意)と呼ばれます。熟成は多くの場合でバーボン樽が使用され、香ばしく、華やかな香りを纏うようになります。

今回、テキーラ編の最初に紹介するのはアガバレスというボトル。「アガベが育つ場所」という意味を持ちます。実は昨今のテキーラには大きく分けて2つのタイプがあり、ひとつが発酵前の原料に、51%以上のアガベと、糖蜜などの他の材料を合わせてつくられるもの。そしてもうひとつが、アガベを100%原料とするものです。
100%アガベテキーラは2000年代の初めに米国で注目され始めました。その味わいは植物がもつ瑞々しさが魅力ですが、アガベのみを原材料とするため価格が比較的高いのが玉にキズ。そんな中、10年ほど前にリーズナブルな価格で、市場で展開され始めたのがこのアガバレス。ムーブメントのまさにパイオニアとなったのです。

アガバレスには2つのレンジがあり、スタンダードにはブランコとレポサド。プレミアムにはさらにアニェホがラインアップされています。スタンダードのアガベは低地で栽培され、ちょっぴりスパイシーで、植物っぽさ、緑っぽさを感じさせます。プレミアムは土壌が肥沃な高地で育ったアガベも原料に取り入れられ、より滑らかで、芳醇な甘みが口にひろがります。
AGAVEが提案するフローズンマルガリータは、スタンダードのブランコとレポサド、プレミアムのレポサドをミックスしてベースに。サル・コン・チレ(チリソルト)でグラスを縁取り、カクテルに使用したフレッシュライムジュースを搾ったあとの皮の部分を落とします。アガバレス独特のバニラ感によるふくよかな味わいにライムの爽やかさが溶け合い、日常を涼しげかつ華やかに彩ります。
飲酒は20歳になってから。飲酒運転は法律で禁止されています。妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります。
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COOPERATION
AGAVE

東京・六本木通り沿いの地下に佇む、世界最大級のアガベスピリッツバー。常時揃う銘柄は550種類を数える。革命時代のメキシコを演出した空間で、厳選されたボトルとシガーコレクションを心の赴くままに。
住所:東京都港区六本木7-18-11 DMビルB1F
営業時間:月―木 18:00 ~1:00、金・土 18:00~3:00 定休日/日、祝
https://agave.jp/Edit : Yoichi Katsuragawa








