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新天地で頑張るあなたへ 生きる姿勢を青春小説に学ぶ

友人からでも、家族からでも、書評でも、課題図書でもない「オススメの本」を読んだことはありますか? 「文喫 六本木」のブックディレクター・及川貴子さんにBRUDER読者をイメージした一冊を選んでもらいました。

「サード・キッチン」/白尾悠

4月は始まりの季節、環境が変わった方も多いと思います。今回は、主人公と一緒に新天地で頑張っている気持ちになれる青春小説をご紹介します。

念願かなってアメリカの大学に留学した主人公。しかし言葉の壁につまずき、友達も作れず自分を見失いかけていました。そんな時、ふとしたきっかけでマイノリティが集う会員制の学生食堂を訪れます。多国籍料理や気のいい友人に癒されながらも、自分の中の無自覚な偏見や差別意識に気が付いた主人公は、自分はここにいていいのだろうかと大いに悩みます。

―――あまりにも大きな問題を前にして、僕らはしばしば不安と無力感に苛まれる。そんなとき剝き出しになる、他者への恐怖や憎悪にブレーキをかけるのが、知性と想像力だ――

――本文より

思っていたより自分はいい人間ではない、と気づくのは辛いことです。でも大切なのは、自分の無知や失敗と向き合い、痛みを受け入れて少しずつでも前進しようとする姿勢なのだと教えてくれます。

新しい環境は、自分の現在地を見つめ直す絶好のチャンスです。よりよい未来を目指して、進んでいきましょう。

「サード・キッチン」白尾悠(河出書房新社)/¥990(税込)

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COOPERATION

文喫 六本木 ブックディレクター 及川貴子

2018年日本出版販売入社。2021年4月より文喫 六本木のブックディレクターとして、企画選書や展示イベント企画、本のある空間のプロデュースなどを行う。

Edit : Hiroto Goda

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